幻となった「東京茨城空港」だけじゃない! 名称とギャップある空港3選 事情も様々

茨城空港の外国人向け愛称を「東京茨城空港」とする案が、決定直前から一転、反対多数で採用見送りとなりました。実はほかにも距離や立地、実態の面において、空港の名称と実際の運用が異なるものがあり、理由もさまざまでした。

かつて「新東京国際空港」だった成田空港

 茨城空港(百里飛行場)が、主に外国人観光客にむけ、新たな名前を名乗ります。国内向けには「茨城空港」を継続するものの、海外向け愛称として「Ibaraki International Airport」を使うことが2020年6月5日(金)、正式決定されました。

 本来であれば茨城空港の海外向け愛称は、県の有識者会議で6候補から選ばれた「『Tokyo』 Ibaraki International Airport」、つまり「東京茨城空港」を使う予定で、正式決定直前の段階であることが2020年5月30日(土)、一部メディアで報じられていました。ところが東京駅から首都高、常磐道を経由しても100km近い距離のある同空港が「東京」の名をつけることなどから議論を起こし、多くの反対意見をうけ一転、最終的には「東京」の文字を抜いた形で決まっています。

「東京茨城空港」の呼び名こそなくなりましたが、実は日本にはほかにも距離や立地、実態の面において、空港の名称と実際の運用が異なる空港は複数存在しており、それぞれに理由があります。

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かつて新東京国際空港と呼ばれていた成田国際空港(2020年3月、乗りものニュース編集部撮影)。

 たとえば、千葉県にある成田国際空港は、1978(昭和53)年から2004(平成16)年までの26年間、正式名称として「新東京国際空港」と名乗っていました。

 成田空港の建設当時、旅客機の需要が高まっていたことで、首都圏にあった羽田空港ひとつでは対応しきれなくなると試算されており、その羽田空港は海側への拡張も当時の技術だと難しく、その結果、都心から離れた千葉県成田市、および芝山町に新空港を建設し首都圏の航空需要へ対応することになります。

 そういった経緯からか、成田空港は運用開始直後より「新東京国際空港」として開設、国際線をメインに運航し、羽田空港は2010(平成22)年までの32年間、国内線メインの空港となりました。

 現在の成田国際空港に名称が変わったのは、空港の民営化がきっかけです。特殊法人として国の管轄下にあった新東京国際空港公団が2004年、民営化され「成田国際空港株式会社」へ改組、これにともない名称も現在のものに変わりました。

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