いろいろ特徴ある海自艦艇3選 初のミサイル搭載艦から最長寿艦に同型最多艦艇まで
同型艇は50隻以上 ゆり型警備艇
海上自衛隊が保有した各種艦艇で最も同型艦艇、すなわち姉妹艦艇が多いのは、黎明期にアメリカから貸与された、ゆり型警備艇です。その数は53隻で、前身の警備隊時代である1953(昭和28)年に50隻、そして海上自衛隊が発足したのちの1956(昭和31)年に3隻が引き渡されています。
ゆり型は、第2次世界大戦中にアメリカ海軍が建造した上陸支援艇といわれる艦種を、戦後になって中古艦として与えられたものです。上陸支援艇とは、上陸作戦などを行う際に揚陸艦や上陸用舟艇などとともに接岸ポイント近くまで赴き、搭載する機関砲やロケットランチャーなどで沿岸の敵部隊を攻撃し、味方の上陸作戦を援護する船です。状況によっては上陸支援艇が兵員を運ぶこともありました。
そのため、船体は小型ながら武装の強力な点が特徴であるものの、スピードは遅く、高波にも弱いため、外洋での運用には不向きでした。
なお護衛艦に限るのであれば、くす型の18隻が最多であり、国産の新造艦であれば、かさど型掃海艇の26隻が最多になります。
今回の3選以外にも、特徴ある艦はまだまだ存在します。同型艦であっても建造の地が異なっていたり、母港が違ったりするだけでエピソードも異なってきます。それらを調べてみるのも面白いかもしれません。
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Writer: 柘植優介(乗りものライター)
子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。
海上自衛隊の護衛艦で最初に冷房を完備した艦はDE211「いすず」だったのでは?