元祖ANA機「安全の守り神」のヘリコプター 2日がかりの移送作戦! 中心は最高位整備士
ANAの前身にあたる日本ヘリコプター輸送で運航されていたヘリコプターが、2日がかりの移設作業を行いました。この中心となるのは、同社の整備士のなかでも屈指の経験をもつ、超ベテラン整備士でした。
ANA創業のシンボルが「自動ドア」をすり抜けて…
ANA(全日空)が2020年6月29日(月)から30日(火)にかけ、同社の前身にあたる日本ヘリコプター輸送の、創業時に保有していたヘリコプター(機番:JA7008)を、ANAトレーニング&エデュケーションセンターから、2019年に新設された、同グループの複合訓練施設「ANA Blue Base」に移設しました。
日本ヘリコプター輸送は1952(昭和27)年に設立されました。当初はアメリカのベル・ヘリコプター製のベル47D-1型機を2機保有し、翌1953(昭和28)年から宣伝飛行や遊覧飛行などの有償飛行を始めました。
この元祖ANA機ともいえるヘリコプター、ベル47D-1型機は3人乗りで、長さ約13m、幅約2.6m、高さ約2.8m、重さは726kgといいます。また今回、移設されたJA7008は、日本ヘリコプター輸送の2号機にあたり、1970(昭和45)年までの18年間で約4830時間の飛行時間を重ねました。運航終了後は、長いあいだ交通博物館(東京都千代田区)に展示されていましたが、2008(平成20)年にANAへ「創業の精神、安全の象徴を示すもの」として返還されました。
2日かけて行われた移設作業では、ヘリコプターのプロペラ「メインローター」やマストなど大きなパーツを外したうえ、建物の一般的な自動ドアをすり抜け搬出、日本通運のトラックで移送され、ANA Blue Baseで再度組み立てが行われています。
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