「スーパーカブ」直せない国でも大丈夫! テロリストも国連機関も“お墨付き”与えた知られざるホンダの傑作バイクとは?
日本では知名度が低いものの海外では長年生産が続くロングヒットのホンダ製オートバイがあります。「CG125」という名のこのオートバイ、耐久性、メンテナンス性、経済性に優れているため、意外な組織からも支持を集めています。
知られざるロングセラー車 ホンダ「CG125」
日本ではまったく無名ながら海外では知名度が高く、世界的なベストセラーとなっているホンダ製のバイクがあります。それは輸出専用車の「CG125」です。

「CG125」の歴史は古く、開発が始まったのは半世紀ほど前の1970年代です。東南アジアや中近東をはじめとした発展途上国向けの整備性に優れたミニバイクというスタンスでした。
当時、すでにホンダのラインナップには「スーパーカブ」がありましたが、モータリゼーションの遅れた前出の国々では、クルマはおろかバイクすら満足に普及しておらず、庶民の足といえば、馬車や牛車、リヤカー、自転車がほとんどという状況でした。これらの地域では、「スーパーカブ」が積む横型エンジンでは弁機構が複雑なSOHCとなるため、販売店やユーザーにそれを取り扱う知識や技術がなく、修理やメンテナンスに対応できないという問題があったのです。
ライバル他社はこれらの国々に簡便な2ストロークエンジンのバイクを輸出していましたが、これには耐久性や排気ガスの汚さという課題が横たわっていました。そこでホンダは製造コストが安く、堅牢で実用性が高いうえに、経済性にも優れた125cc空冷単気筒OHVエンジンを新開発し、組み合わせるギアボックスは使い勝手の良い5速ロータリーミッションを採用。一方、車体は簡素な設計ながらデザインにこだわり、角形ヘッドランプの採用など、当時のトレンドを取り入れたスポーティなルックスとしました。
こうして1976年に誕生した「CG125」は、輸出先の税制や免許制度に対応するため排気量を縮小した「CG110」とともに世界各国に輸出され、ミニバイクのベストセラーとなったのです。
日本では2008年に生産を終了しましたが、海外工場でのノックダウン生産やライセンス生産も盛んに行われています。また、中国や発展途上国のなかには、ホンダに無断で生産した「CG125」のコピーバイクが相当数流通しており、海賊版も含めて小型バイクのデファクトスタンダードとなっています。
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