格差はっきり「地方版図柄入りナンバー」 熊本&福山人気 世田谷レア 今後は「全国版」も
東京近郊勢は「オリパラ」に敗北?
一方、世田谷をはじめとする東京近郊のご当地ナンバーは、なぜ不振なのでしょうか。
世田谷区の担当者は2019年5月の取材時、デザインが目立ったキャラクターを使ったものではないことのほか、地方版図柄入りナンバーに先行して、「東京オリンピック・パラリンピック」の記念デザインナンバープレート(以下、オリパラナンバー)が交付されていることも要因のひとつとして挙げました。
オリパラナンバーは地方版図柄入りナンバーの1年前、2017年10月から全国で交付が始まりました。2020年6月22日時点で184万4267枚が申し込まれており、開催中心地である東京周辺においては、確かにバスなどでもオリパラナンバーをよく見かけます。
ただし、その申し込みの9割近くは「軽自動車の白ナンバー」に集中しています。オリパラナンバーは申し込み時に寄付をした場合、図柄がプレート全面に描かれたものが、寄付なしの場合は、白地のプレートの右上に大会エンブレムが小さくあしらわれたものが交付されます。後者は、軽自動車でも普通車と同じような白のナンバープレートが得られることから、人気を集めているのです。
そうしたなか、現在オリパラナンバーに次ぐ新しい「全国版」の図柄入りプレートの導入が国で検討されており、国土交通省の資料では、その図柄のテーマとして、「新しい生活様式の実現」「防災・減災」「オリパラレガシーの継承」といった取り組みのPRなどが挙げられています。
また、「国民が付けたいと思うような」「格好良い」「自動車に似合う」デザインが必要とされており、プロのデザイナーにデザインを依頼すべく、協議を重ねているそうです。この新たな全国版図柄入りプレートは、2021年度、東京オリンピック・パラリンピック後にオリパラナンバーの交付が終了する時期に合わせての導入が予定されています。
なお国土交通省自動車情報課によると、この全国版のデザインを検討しつつ、あわせて、既存の地方版図柄入りプレートのデザイン変更を認める検討も進めているそうです。
【了】
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