鉱山向け超大型ショベルの「自律運転」実験へ 掘削/積込自動化 遠隔で複数台操作も
超大型ダンプの自律走行は、もう実現しています。
日立建機は2020年7月16日(木)、おもに鉱山で使用される超大型油圧ショベルの自律運転に向けた実証実験、2021年度からオーストラリアの鉱山で開始すると発表しました。、将来における鉱山現場の安全性および生産性向上を目的としています。
実証実験は段階を追って行われます。まず、超大型油圧ショベルの開発します。この遠隔操作システムには、実機にオペレータが搭乗したのと同等の作業性を確保するため、ほかの鉱山機械との衝突を回避するなど運転支援システムを組み込むそうです。
続いて、掘削や積込などの作業の一部を自動化し、遠隔オペレータひとりが複数の超大型油圧ショベルを運用できるシステムを開発するとのこと。そして最終的に、自律運転機能を有する超大型油圧ショベルの開発を目指すそうです。
いずれのシステムも、同社の超大型油圧ショベル「EX-7」シリーズに後付け可能な仕様とし、顧客が保有する現行機を活用できるようにするといいます。
鉱山の現場は24時間365日、安定した稼働が求められる一方で、超大型油圧ショベルのオペレータは、周辺機械との接触や車体の安定性などに留意しながら、複雑な操作を長時間にわたり繰り返す必要があり、その運用はオペレータの技能や経験に大きく左右されるといいます。オペレータの技能に左右されない生産体制の構築と、オペレータの作業負担の軽減が課題になっているとのことです。
ちなみに日立建機は2013年に、北海道の試験場にある油圧ショベルを、約800km離れた茨城県からインターネット回線を介して遠隔操作するなど、長距離から遠隔操作するための技術開発を進めてきたそうです。また、鉱山で使用する大型ダンプトラックの自律走行技術も開発し、現在、オーストラリアの鉱山で6台による24時間体制の自律走行が実現しているといいます。
【了】
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