人命救助に就くヘリはどんなルールで飛ぶの? 飛行高度に見る報道ヘリなどとの違い

ヘリコプターの飛行高度は法律でその最低高度が規定されていますが、災害救助の現場などではずいぶんと低いところまで下りているように見えます。そうした救助ヘリと、それ以外の報道ヘリなどでは、規定に明確な違いがありました。

報道のヘリも近くを飛んでいるようだけど…?

 陸上自衛隊などが保有する「映像伝送装置」と呼ばれるカメラや、中継機材を搭載したUH-1多用途ヘリコプターは、被災地などの状況を上空から撮影し、リアルタイムで指揮所やテレビに中継する役割を担っています。そのため、この「映像伝送装置」を搭載したヘリコプターは「救助を業務とするもの」に該当しないため、最低飛行高度を守る必要があります。これは報道ヘリコプターなども同様で、最低飛行高度を守らないと法律によって罰せられます。

Large 20200813 01
陸上自衛隊が保有するUH-1J多用途ヘリコプターは「映像伝送装置」を搭載しており、随伴する「中継機」と2機1組となって被災地上空などを飛行する(武若雅哉撮影)。

 ではなぜ、テレビ局などの報道ヘリコプターは、人命救助する自衛隊ヘリコプターを間近で撮影できているのでしょう。

 その理由のひとつは、ヘリコプターに搭載するカメラを固定する装置です。これがヘリコプターの振動を吸収し、超望遠レンズの映像すら揺れなく撮影することを可能にしているからです。テレビ局が使用するこうしたカメラレンズの望遠性能は素晴らしく、はるか彼方にいる目標が眼前にあるかのように映し出せます。

 過去には、災害現場を行き来する報道ヘリコプター同士の接触事故が発生していますが、こうした事故を教訓として、いまでは多くのヘリコプターが飛び交う災害発生地域上空においても、事故を起こすことなく飛行できています。

 災害発生現場上空で撮影された映像を観て「報道ヘリが、住民を救助する自衛隊ヘリの邪魔をしている」と批判する声が聞こえることもありますが、間近に見えて、実際はかなり遠くから撮影していることも往々にしてありえるのです。

【了】

【写真】やはり赤かった消防庁のヘリ ほか

Writer:

2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  2. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  3. 「断固たる措置を講じる」首都高公式ブチギレ! 「公平性を著しく損なう」非常識ドライバーに“鉄槌”…一体何が?
  4. 神奈川県警の“バイクは自転車レーン走るな”投稿にツッコミ殺到! 「自転車にも車にもバイクにも迷惑です」…何が問題に?
  5. 海自潜水艦 アメリカ海軍の“歴戦の揚陸艦”を標的に魚雷発射! 実弾演習で巨大な水柱があがる瞬間を公開
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開