人命救助に就くヘリはどんなルールで飛ぶの? 飛行高度に見る報道ヘリなどとの違い

ヘリコプターの飛行高度は法律でその最低高度が規定されていますが、災害救助の現場などではずいぶんと低いところまで下りているように見えます。そうした救助ヘリと、それ以外の報道ヘリなどでは、規定に明確な違いがありました。

ヘリが飛ぶのにもルールあり

 近年(2020年現在)日本各地では、毎年のように豪雨のもたらす災害が発生しており、これにともなう自衛隊などの救助活動で、被災住民がヘリコプターに救助される様子をテレビなどで目にする機会も増えています。

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ホイスト装置を使用して要救助者を吊り上げる陸上自衛隊の隊員たち(武若雅哉撮影)。

 この時、救助のヘリコプターは地表や家屋までかなり近づいたところを飛んだり、ホバリング(空中停止)したりしていますが、これは、航空法第81条の2に該当する「捜索又は救助のための特例」が適応されているためで、これに当たらないヘリコプターは航空法第81条に定められている「最低安全高度」を守る必要があります。

 航空法第81条には「航空機は、離陸または着陸を行う場合を除いて地上または水上の人または物件の安全及び、航空機の安全を考慮して、国土交通省が定める高度以下で飛行してはならない(以下略)」とあります。

 そして「国土交通省が定める高度」とは、航空法施行規則第6章「航空機の運航」にある第174条「最低安全高度」において触れられているものです。この条文を大まかに要約すると「人口密集地では高度300m以上、人家の無い地域では高度150m以上で飛行しなさい」となります。

 しかし、この高度では人命救助や捜索を行うことはできません。そこで前述の「特例」が認められているわけです。

【写真】やはり赤かった消防庁のヘリ ほか

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