巨大機「A380」3号機の行方は? ANA決算会見で語られた今後の体制 経年機退役前倒しも

新型コロナの影響で未曾有の危機に直面しているANA HD。決算会見で同社の取締役が打開策の方針として打ち出したのが「飛行機の最適化」です。そのひとつが総2階建ての「フライングホヌ」3号機。今後どうなるのでしょうか。

A380 3号機は「サンセットオレンジ」特別塗装

 航空会社のANA(全日空)を傘下にもつANA ホールディングス(ANA HD)が2020年7月29日(水)、2020年4月から6月期の決算を発表。新型コロナウイルスの影響をうけ、営業損益、純損益ともに四半期決算の開示開始以降、四半期として過去最大の赤字額となりました。

 これに対しANA HDでは運航規模の抑制により空港使用料などを削減しているほか、役員報酬、管理職賃金といった人件費削減にも取り組んでいます。そして、同社の福澤一郎取締役 常務執行役員は記者会見のなかで「今後は所有機の機数やサイズを適正な規模に調整する」趣旨の発言をしています。

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ANAのエアバスA380「フライングホヌ」の3号機(2020年、恵 知仁撮影)。

 その一環として行われているのが、総2階建てで520席を配するANA最大の旅客機、エアバスA380型機の納入延期です。当初の計画では、順次計3機が納入され、いずれも成田~ホノルル線の専用機としてデビューする予定でした。

 これらA380型機はホノルル線に投入されることから、ハワイで神聖な生き物とされているウミガメにちなんだ「FLYING HONU(フライングホヌ〈空飛ぶウミガメ〉)」の愛称とデザインを持った特別機です。ハワイの「空」をイメージした「ANAブルー」の1号機、ハワイの「海」をイメージした2号機は、すでに2019年5月と6月にデビューしています。

 ところがハワイの「夕陽」をイメージした「サンセットオレンジ」の3号機は、2020年4月に受領、6月までに路線デビューが計画されていたものの、2020年7月現在受領が見送られています。

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