ドラマで注目「MIU:機動捜査隊」とは? 機動隊や交通機動隊…数ある「機動」部署との違い
「機動」と名が付く警察部隊はほかにもたくさん
警察組織において「機動」というのは管轄などに縛られることなく、短時間で行動や移動が可能というニュアンスで使われているようです。
前出の警察に詳しい人物の話では、「機動捜査隊」や「機動隊」、「交通機動隊」のほかにも、「機動」と名の付く部署はあるとのことでした。
たとえば「公安機動捜査隊」。同隊は警視庁公安部のみが有し、爆発物や不審物などを用いたテロ活動に対し、機動捜査隊のように迅速な初動捜査や鑑識活動を行うために組織されています。組織上、秘途性が重視される公安部では年頭部隊出動訓練などに姿を現す数少ない部署です。
また機動捜査隊と同じく迅速な初動捜査体制の整備を目的に設けられているのが「機動鑑識隊」です。同隊は、現場鑑識活動がとくに重視される事件などにおいて、スピーディかつ高度な鑑識活動を行うために組織されたものだそうです。県によっては「機動鑑識班」という場合もあるとの話でした。
さらに重大な事件、事故や災害などが発生したときに各種装備品の搬送、操作などで現場の支援活動を担うほか、装備品の取扱いに関する指導などを行う「機動装備隊」というのも各都道府県警察にあるそうです。
ほかにも最近では、機動捜査隊や交通機動隊、自動車警ら隊(大阪府警は方面機動警ら隊)など様々な性格の部隊を統合した「機動警察隊」というのも、いくつかの道県警察で発足しており、似たような名前の部署が増えています。
さらに2020年4月1日には、和歌山県警察に「機動捜査分析課」という新部署が発足したとのこと。ここは機動捜査隊に、これまで他部署にあった捜査情報の分析支援業務を合体させた組織だそうです。
犯罪の広域化およびスピード化は増す一方です。機動捜査隊などのように、今後ますます機動性や即応性を有した部署は増えるかもしれません。
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Writer: 柘植優介(乗りものライター)
子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。
本当に「機動警察」なる一部マニアが即反応しそうな名前の部署があろうとは!