ドラマで注目「MIU:機動捜査隊」とは? 機動隊や交通機動隊…数ある「機動」部署との違い
凶悪事件発生時に現場に集まる警察の捜査員。ドラマなどでは所轄の刑事や本庁の捜査員がしばしば描かれますが、実際には機動捜査隊という部署が真っ先に駆けつけることが多いそうです。ただ「機動」とつく似たような名前の部署も多く存在します。
機動捜査隊の略称はなぜ「MIU」?
警察庁と警視庁、警備部と警務部、警護と警衛のように、警察組織のなかには似て非なる部署がいくつかあります。
なかでもドラマなどで目にする「機動捜査隊」、これは何をするところなのでしょう。描写としては、私服警官が覆面パトカーに乗り込んで犯人を追いかけたり捜査したりしていますが、機動隊や交通機動隊とはなにが違うのでしょうか。
警察に詳しい人物によると、機動捜査隊は、都道府県警察本部の刑事部直轄(一部地域では捜査第1課隷下)の実動部隊で、英語では「MOBILE INVESTIGATION UNIT」といい、そこから「MIU」と略されます。おもな役割は、凶悪犯罪などの重要事件ならびに緊急案件発生時の初動捜査や、機動力を駆使した追跡捜査などだそうです。事件にいち早く対応することで、端的にいえば事件の解決率をあげるのが目的です。
そのため普段から「捜査用車」と呼ばれる、いわゆる覆面パトカーで街なかを巡回しています。覆面パトカーで動くため、不都合がないよう服装は私服で、制服を着用して活動することはほぼありません。
また警察署、いわゆる「所轄」の刑事ではないため、管轄の制限を受けず広域的に動けるのが特徴で、都道府県の境を跨いでの広域捜査も可能とのこと。しかし、あくまでも事件への迅速対応、スピーディさに軸足を置いているため、事件が長期化するような場合は、本部刑事部の捜査第1課や捜査第3課などの別部署や各地の警察署の担当部署に捜査を引き継ぎ、新たな事件発生に備えて巡回などに戻るそうです。
本当に「機動警察」なる一部マニアが即反応しそうな名前の部署があろうとは!