「日野ルノー」って何? 商用車の日野 かつては乗用車も作っていたってホント?

トラックやバスのメーカーというイメージが強い日野自動車ですが、戦後の一時期、乗用車も造っていました。商用車メーカーである日野自動車が手掛けた乗用車とはどんなものなのでしょう。

日野自動車が提携先にルノーを選んだワケ

 日野自動車は、太平洋戦争中の1942(昭和17)年5月に、ヂーゼル自動車工業(のちのいすゞ自動車)の日野製造所が「日野重工業」として分離独立する形で誕生しました。太平洋戦争中は戦車や装甲車などを生産していましたが、戦争が終結すると各種トラックやバスなどを造るようになります。

 そのなかで、会社が発展するためには乗用車を生産すべきだと考えられるようになり、外国の自動車メーカーと提携し、技術やノウハウを蓄積したのちオリジナルの乗用車を開発する道筋を立てました。その結果、提携先に選んだのがフランスのルノー、とりわけ4CVというモデルでした。

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ルノー4CVは前後ドアともにヒンジが車体中央部分にあるため、独特の開き方をする(2020年8月、柘植優介撮影)。

 日野自動車がルノー4CVを選んだ理由、それは「ルノーは外国車メーカーとして優秀」「コストが低く、維持整備も容易」「小型車ながら性能が良い」、そして「車格がコンパクトなので日本の交通事情に合致する」などの点からでした。

 また一説には、日野自動車が要求した部品製造を含めたライセンス生産を認めたことも決定理由のひとつといいます。国産部品を用いたライセンス生産であればメーカーとしてメリットが多く、技術やノウハウを吸収するためには好条件といえるでしょう。

 1953(昭和28)年2月、ルノーとのあいだで正式に4CVの技術提携を結ぶと、翌3月には早くも工場でノックダウン生産を開始、4月には販売もスタートしています。そして徐々に部品の国産化率を高めていき、1954(昭和29)年には比率25%だったものが、1956(昭和31)年には75%になり、ついに1958(昭和33)年に国産化率100%を達成しました。

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