東武はなぜ夜行列車を走らせるのか 100km台でも根強い需要 歴史は戦前から

日本でも数少なくなった夜行列車、それを私鉄で唯一、定期的に運行し続けているのが東武鉄道です。200kmに満たない短い距離の夜行列車ですが、レジャー利用の人々に愛されてきました。そして近年は「テコ入れ」を図るべく、新趣向も打ち出しています。

珍しくなったからこその夜行の新趣向

 そうしたなか、東武の担当者が夜行列車の新趣向と胸を張るのが「DL夜行大樹」です。

 鬼怒川線で走るSL列車「大樹」の国鉄14系客車を活用し、ディーゼル機関車(DL)牽引による貸切夜行列車を運行するという旅行商品です。2019年の4月30日から5月1日にかけて、令和への改元の瞬間を車内で迎えるというツアーと、同年7月、旅行大手クラブツーリズムの主催によるツアーの2回、いずれも南栗橋~鬼怒川温泉間で実施されています。

 もともと、SLの基地がある下今市駅から、客車の検査工場がある南栗橋までの回送が実施されていたことから、これを昼間に客を乗せる形で運行したところ好評で、夜行を実施してほしいとの声もあったといいます。クラブツーリズムからも、夜行列車の魅力を訴えるような団体臨時列車の運行要請があったそうです。

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「DL夜行大樹」に連結される14系客車のうち「ドリームカー」内部。JR北海道が夜行急行「まりも」「はまなす」などで運用していた(画像:東武鉄道)。

「DL夜行大樹」は、都市間輸送でもレジャー向けでもない、まさに夜行列車の「ノスタルジックな空間」を求めたものだといいます。

「大樹」の14系客車は寝台ではない座席車です。「寝台特急」よりも庶民的な、いわゆる「座席夜行」に親しんだ中高年にとっては、青春の1ページを思い起こさせ、また夜行列車を知らない世代にとっては、往年の旅情を味わえる空間とのこと。そのようなノスタルジックな魅力に訴えかける旅行商品として、今後も状況を見ながら販売していきたいそうです。

【了】

★★JR新宿発「日光夜行」も 東武の夜行列車を写真でチェック★★

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