階段6段分!? 高低差小さいにもほどがあるエレベーターなぜ増えた スロープではダメな理由

国と自治体、鉄道事業者が進める「駅のバリアフリー化」

 スロープの設置に当たっては、「バリアフリー法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)」で定められた「勾配12分の1以下」という基準があります。この計算では、大人の腰ほどの高さ(1m)でも、12m以上の水平長さが必要。この長さを稼ぐため、駅によっては「ジグザグに往復する」スロープになっているところもあります。

 しかし、住宅地や商業地にあって駅のスペースも限られている場合、スロープを設置する十分なスペースが確保できず、エレベーターが採用されるケースが多くなっています。

 また、国土交通省はバリアフリー法に基づく「移動等円滑化の促進に関する基本方針」で、「平成32年度までの整備目標」として、国内におよそ3450ある「1日平均利用者数3000人以上の駅」を、原則バリアフリー化するという目標を打ち出しています。この目標を元に、経費の3分の1を国が、残りは自治体と事業者が負担する「バリアフリー化設備等整備事業」が開始されたことにより、全国で一気にバリアフリー化工事が進みました。

 この国庫補助事業は、エレベーターやスロープに加え、ホームドアや「内方線付き点状ブロック」、障害者対応トイレの設置等も対象となっています。

 【了】

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