名物路線が相次ぎ消滅 全国「2020年10月廃止の路線バス」 かつての鉄道代替バスや絶景路線も

山奥や市街地の「狭隘路線」も

「道の狭さ」が廃止の理由のひとつになった路線もあります。

●奈良交通「十津川線」(全線廃止)
・廃止区間:五條バスセンター~十津川温泉間(奈良県五條市~十津川村)

 長距離を走る絶景路線としては、奈良交通の十津川線も廃止となります。ここは、日本一の長距離路線バス「八木新宮線」と一部同じコースを走る路線でした。10月からは、これとは別に五條~十津川間で運行されているコミュニティバス「広域通院ライン」の経由地を整理し、五條バスセンターから南奈良総合医療センター(大淀町)へ延伸させる予定です。

●大分バスE14系統「滝尾循環線」(部分廃止、ルート変更)
・廃止区間:辻堂~津守新町間、滝尾駅前~富岡間(大分市)

 大分市では滝尾循環線が運行ルートを変更し、住宅が密集した滝尾地区・曲地区などからバスが姿を消します。大分県からJR豊肥本線 滝尾駅の西側に広がる住宅街を結んでいたこの路線は、まっすぐ走れる道路が極端に少なく、自家用車どうしのすれ違いにも難渋する状況でした。民家の軒先をそろそろと走り抜ける滝尾循環線のバスは、車幅ギリギリの道を走り抜ける「狭隘路線バス」の代表格として、知る人ぞ知る存在でもありました。

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狭隘な滝尾地区をゆく大分バス(2018年3月、宮武和多哉撮影)。

 かつては集落の足として多くの乗客を運んできたこの路線ですが、代替の交通を検討してきた際には乗客減少だけでなく、狭い道路でのバス運行も課題として検討されました。今後は大分市が地元のタクシー会社に委託する形で、路線バス廃止区間から最寄りの停留所までを結ぶ9人乗りのジャンボタクシーとして運行されるそうです。

※ ※ ※

 狭隘な道路や秘境を走る路線バスとしてはその他にも、厳しい峠越えで知られた岩手県交通 山伏線(JRほっとゆだ駅~貝沢~盛岡駅)や、山形県の日本海側に位置する関所の街・鼠ヶ関の街道筋を通る庄内交通 温海平沢線(あつみ温泉~平沢)、紀伊半島の熊野川沿いの密林を抜ける熊野御坊南海バス 玉置口線(神丸~玉置口)なども、路線短縮などで現状のバス路線としての役目を終えます。

★★西鉄など鉄道代替路線も 2020年10月廃止の様々なバス路線 写真で見る★★

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コメント

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2件のコメント

  1. 函館バスの廃止区間は、バス事業もやってる東ハイヤーの
    デマンドバスが引き継ぐことが発表されており、これに触れず
    > 約20kmバス路線が途絶えてしまう
    はちょっと違う。

  2. 冒頭から事実と異なっている。
    阪急バスの阪北線は全線廃止ではなく途切れ途切れになるだけ路線そのものは残る。それに梅田ー箕面の直通路線は平日ダイヤなのだから,ラストは4日(日)ではないのでは。

    ちゃんとバス会社に取材するとか社史をみるとか、しっかりと調べて記事にしてほしい。ファンサイト(閉鎖済み)には,日本ではじめて(深夜割増をとらない)深夜バスが運行された路線と書かれていた。それくらい特徴のある路線なのだし,こうやって記事に残るんだから,ちゃんと取材してほしい。