「ポーランド侵攻」迫るドイツ機甲師団! 対するポ軍の切札 知られざる「7TP」とは?

「戦車相手に騎兵で突撃した!」などと語られることのあるWW2開戦時のポーランド軍ですが、当時は東欧の大国と目され、工業技術もなかなかで、自国で量産した戦車も保有していました。その名は「7TP」、どんな戦車だったのでしょうか。

大戦開始時には先進的戦車のひとつだった「7TP」

 1939(昭和14)年9月1日、ドイツ軍がポーランド領内に侵攻したこときっかけに第2次世界大戦が始まりました。

 翌月の10月初旬まで続いたこの戦いでよく話題に出るのが、「ポーランド騎兵がドイツの戦車部隊に突撃をかけた」という話ですが、これは公式の記録では確認できず、ポーランド騎兵がドイツ軍に急襲をかけたことや、ポーランド戦終了後にドイツが仕掛けたプロパガンダが強く影響しているのではといわれています。

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ポーランド軍の7TP戦車(画像:Hiuppo/CC BY-SA[https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0])。

 実際には、侵入してきたドイツの機甲師団に対抗したのはポーランドが保有する戦車だったケースが多いのです。その当時のポーランドが保有する戦力中でも強力視されていたのが、単砲塔搭載型の「7TP」軽戦車でした。

「7TP」は「7トンポーランド戦車」の略で、元は1930年代前半にイギリスのヴィッカース・アームストロング社が開発した「ヴィッカース 6トン戦車(6-Ton Tank)」をライセンス生産したものです。1931(昭和6)年、ライセンス権取得と同時にヴィッカース社から購入した最初の50両は、タイプAと呼ばれる機関銃搭載の双砲塔型という仕様でしたが、後に改造され20両程度が47mm戦車砲を搭載するタイプBとなり、7TPの原型になります。

 ポーランドで生産した7TPは、ヴィッカース製のものとくらべ各部に改良が加えられており、一番特徴的なのが、ガソリンエンジンからディーゼルエンジンに換装した点でした。戦後の戦車や軍用車両を考えれば、引火点が高く、炎上しにくいディーゼルエンジンを用いることは常識となっていますが、戦中にメインでディーゼルエンジンの戦車を使っていたのは、主要参戦国でソビエト連邦と日本だけでした。その面では同戦車は世界で最も早くディーゼルエンジンを採用した戦車のひとつでもあります。

 戦車砲は、スウェーデンのボフォース社製37mm対戦車砲を砲塔用に改造したものを搭載することになりました。1936(昭和11)年にはこの砲のライセンス生産権を購入し、国内量産も行いましたが、砲塔搭載火砲の開発は手間取り、単砲塔搭載型7TPの生産は1937(昭和12)年頃から始まったといわれています。

【写真】「騎馬突撃」の風評を払拭できそうな7TP戦車の隊列

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