「67年ぶり」も 路線バスのデザイン変更が相次ぐ背景 地域になじむまで長い年月
バス事業者が、長年にわたり採用してきた路線バスの外観デザインを変更するケースが増えています。地域の「顔」にもなる路線バスのデザイン変更は、イメージ転換だけでなく、会社の「成長戦略」でもあります。
67年ぶり! 西武バスの新塗装
路線バスは営業エリアも基本的に決まっており、地域の広告塔としても使われる存在です。車体のデザインもめったに変更されず、地域の「顔」として長年にわたり踏襲されているケースもありますが、一方で近年、それを「変える」決断も増えています。
たとえば西武バスは、2020年4月から「s-tory(エストリー)」と呼ばれる青を基調とした新塗装のバスを導入していますが、これは実に、67年ぶりのデザイン変更です。従来の「ピーコックブルーの笹の葉デザイン(笹カラー)」から大幅な変更を決めた理由について同社は、「西武グループの一員であることをアピールする」目的が大きいと話します。
というのも、西武グループは67年のあいだに埼玉西武ライオンズを傘下に収め、そのイメージカラーである青をコーポレートカラーに据えるなど、大きく変化してきました。それに、従来のバスの「笹カラー」がそぐわなくなっていたのです。「グループとして一体感を出すための変更」(西武バス)とのこと。
新塗装は西武バスにおける営業エリアの特徴を表現し、縦横に伸びる交通網をイメージしたデザインが施されています。このデザインは2020年の「グッドデザイン賞」も受賞。「西武バスの立場とあるべき姿を見事にグラフィックにまとめられている」と評価されています。
同様に、グループのコーポレートカラー制定とともに路線バスのデザインを大きく変えたケースとしては、2008(平成20)年以降の相鉄バスなどが挙げられます。
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