線路が余ったのか? ポイントからちょっとだけ延びた部分 何のため?

省略されることも多くなった安全側線 そのワケは?

 安全側線は冒頭で述べた通り、ポイント付近に設けられます。

 単線の路線では、列車の行き違いができる駅によく設置されます。万が一、停止できず進んでしまった場合、安全側線に入れば対向列車との正面衝突を回避できます。

 複線の路線でも、優等列車(特急など)の待避ができる駅などに設置されることがあります。この場合は有事の際、追い抜こうとする後続列車の追突を回避する役目を果たします。

 しかし安全側線にも絶対はありません。例えば1962(昭和37)年、都内のJR常磐線で発生した「三河島事故」では、赤信号を見落とした貨物列車が前方の安全側線に進入するも、連結していた貨車が本線側に脱線。そこへ後続列車などが衝突し、結果的に160人もの死者を出す大惨事となりました。事故は国鉄職員の連絡不手際なども要因として指摘されたため、一概に安全側線の機能不足は追及できませんが、本来の目的である二次災害発生の防止には至りませんでした。

 安全側線に進入するのは最終手段です。安全側線に列車検知装置を組み込み、そこを列車が通過したら周囲を走る列車に危険信号を送信するシステムもあります。ただし敷地の都合や、列車に高性能の保安装置が搭載されたなどの理由から、現在は安全側線が省略される場合もあります。

【了】

【写真】その名も「安全側線」 設けられた場所を見る

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コメント

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8件のコメント

  1. 未然に単独で脱線したが隣の線路を塞いだというのもありましたね。それと新幹線では車庫から本線に出る箇所にだけはもうけられていることがあります。

  2. 付けられた時代もあったんだろうが、「安全側線」とは、どう考えても安全じゃないのにネーミングがちょっとズレてる感じ。
    「非常側線」とか「緊急側線」とかの方が良いんじゃないかな。

  3. 【三河島事故】の死者160人の大半は貨物列車と電車の衝突によるものではありません。
    動けなくなった電車の乗客が非常コックでドアを開けて線路に降りたところへ対向電車が入ってきて轢かれ
    たものです。
    ですから非常コックの表示板には線路に降りたら他の列車や電車に注意する旨の注意書きが有ります。
    その非常コックは多くの乗客が閉じ込められたまま焼死した【桜木町事故】の反省で整備されたものです。

    • 阪急神戸線の「六甲」で起きた衝突事故は、“安全側線”があれば防げたかも知れませんね。

  4. ありがとうございます。自分も気になりましたが、そういう事だったのですね。

  5. 安全側線の先に建造物があったらたまったもんじゃない。何百メートル以内の建造禁止とかルールはあるの?

  6. 写真は安全側線ではない。保線車両を出入りさせる際の横取り装置と呼ばれる特殊な分岐器で、営業列車は突入しようと思っても物理的に不可能。
    そもそも敢えて脱線させるという表現は誤解を広める元。本題から逸れるという意味での脱線ならわかるけど。
    あくまでも止めようとしていたが微速でオーバーランしてしまった場合の命綱であって、ブレーキ故障や信号見落とし/無視に対処させるものではないしできるものでもない。
    昔はキャッチサイディング(避線)といって下り勾配で過速して止まれない列車を誘導避難させるものがあったが、km単位の長い引込線で、レールから脱輪させて止めるという発想は無い。

  7. 知ったかぶりして、噓を書くんじゃないよ。写真のポイントは、どうやったら切り替わるのかね。