「横断歩道で車が止まってくれる率」長野県はなぜダントツなのか 県警に聞いてみた

歩行者も知らない歩行者優先 大切なのは「アピール」

 では、一時停止率が低いとされた県は、どのような取り組みを行っているのでしょうか。

 2018年に実施されたJAFの調査で、一時停止率が全国最低の0.8%とされた栃木県は、JAFの調査結果を逆手に取り、大々的なキャンペーンと取締りを展開、2019年には13.2%まで向上し、今回は14.2%でした。

 以前の取材時に栃木県警の担当者は、そもそも信号機のない横断歩道で一時停止しなければならないことを知らないドライバーも少なくなかったと話していました。これは歩行者も同様。「クルマが行ってから渡ればいい」と考え、横断歩道を渡る意思がドライバーに伝わりにくい場面があることから、歩行者への広報も必要だということでした。

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クルマが止まらず横断歩道を渡れない。写真はイメージ(画像:JAF)。

 長野県警の担当者に聞いたところ、たとえば子どもが横断歩道で手を上げていれば、クルマはほぼ止まってくれるといいます。そして子どもには、「クルマが完全に止まったかどうか確認してから渡ろうね」と教えているそう。

「こうして、クルマが止まってくれることを経験した子どもが、大人になって、習慣が脈々と続いているのではないでしょうか」(長野県警 交通企画課)

 とはいえ、小学校低学年くらいまでは交通ルールをしっかり守っていても、大きくなるにつれ守らなくなる子どもが増えるのは、どこでも同じだと話します。

 ちなみに、横断歩行者の保護徹底については、警察庁や国土交通省も力を入れています。国土交通省によると、日本では2017年における自動車乗車中の交通事故死者数がG7(日本、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア)で最も低い一方、歩行中および自転車乗車中の死者数は人口10万人あたり2.0人と、G7でワーストです。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. 旅行で長野に車で行った時、小学生くらいの子供が横断歩道で手を上げていたので止まったら、小走りで渡たったと思ったら、こちらに振り向き深々とお辞儀をしていった。これには助手席の妻と顔を見合わせ「すごい」と声が出てしまった。
    横断歩道は歩行者優先だが、歩行者にもドライバーに対する気遣いがあるとお互いが良い気分になり、「次も止まってあげよう」と思うのではないでしょうか。
    その後自分の県に戻り、歩行者がいたので横断歩道で止まったが、歩行者優先だからといって、くわえタバコでチンタラ渡っているその年配男性を見てますますそう感じた。

  2. 長野県での経験です。横断歩道で止まってくれた車に頭を下げて感謝の気持ちを表してくれました。止まった方も気持ち良いし、その子供達が大きくなって運転するようになったら、当然止まる様になりますよね。学校での教育は交通事故抑止にも大きく寄与してると思います。