切り札「ポケット潜水艦」アメリカ本土攻撃を企てたイタリア海軍の奇策 別名カンガルー

第2次世界大戦中のイタリア海軍の活動は、誰もが知るような華々しさはないものの、潜水艦や小型潜航艇を用いて幾多の戦果を挙げました。その秘密兵器のひとつに、「ポケット潜水艦」なるものがありました。

大改造でついた異名は「カンガルー」

 CB型ポケット潜水艦が黒海で活動していた頃、イタリア国内に残されていたCA型ポケット潜水艦はある極秘作戦のために改造が施されます。潜望鏡を収納するための船体上部の塔は廃止され、逆に船体下部に潜水工作員用のハッチを増設、さらに静粛性の高い21馬力電気モーターを装備し、3名が搭乗できるようにされました。

 なぜ、このような改修作業が始まったのか。それはCA型ポケット潜水艦の小ささを活用して、アメリカやイギリスといった敵国の軍港を奇襲攻撃するためでした。とはいえ、前述のとおりCA型ポケット潜水艦は航続距離が短いため遠洋航海には適さないと判断されています。

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CA1/2型は特殊作戦用に改造され、潜望鏡塔と魚雷発射管を撤去。代りに潜水工作員が出入り可能な下部ハッチが増設され、魚雷に代えて100kg時限式爆薬8発が装着された(吉川和篤作画)。

 そこでイタリア海軍は長距離航海が可能なマルコーニ級潜水艦をCA型ポケット潜水艦の母艦とすることを発案、搭載砲を取り去るなどの改造を行ったのです。マルコーニ級潜水艦とCA潜水艦のセットは、その姿から「カングーロ」(カンガルー)と称されました。

 イタリア海軍の作戦計画では、マルコーニ級潜水艦改造の母艦が、CA型ポケット潜水艦を敵の軍港近くまで運びます。軍港近くでCA型ポケット潜水艦が母艦を発進、湾内に侵入したのち、今度は潜水工作員1名が、100kg時限式爆薬8発と「チミチェ」(南京虫)型時限式爆薬20発を持ってCA型を出発、爆薬で港内の船舶を爆破攻撃して、再び母艦に帰還するというものでした。

【写真】こりゃ小っちゃいわ まさに「ポケット潜水艦」

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コメント

1件のコメント

  1. 米本土攻撃は日本の潜水艦搭載機によるものばかり取り上げられますが、イタリアもすごい!!

    架空戦記さながらの奇想天外兵器ですね。

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