「♪高原列車は行く」の舞台は 朝ドラ『エール』古関裕而 ある意味「鉄道ソング王」
発車メロディ・社歌など多数! 記憶に残る「古関メロディー」
その生涯で約5000曲とも言われる古関裕而の作品のなかには、2020年現在でもさまざまな鉄道施設で聴けるものもあります。
そのひとつがJR福島駅の発車メロディー。東北本線、奥羽本線などが発着する在来線ホームで「高原列車は行く」が、新幹線ホームでは高校野球の大会歌でもある「栄冠は君に輝く」が流れたあと、列車は福島県の高原地帯へと出発します。
福島駅から500mほど東側には生家跡(旧・喜多三呉服店)の碑もあります。元の福島交通が運行する「古関裕而メロディーバス」で数々の作品を聴きながら市内の観光地を巡るのもよいでしょう。
また福島駅から30kmほど南側にある本宮市は、古関裕而の旧くからの盟友である歌手・伊藤久男の出身地として知られています。代表的なヒット曲「イヨマンテの夜」は、ドラマ内でも山崎育三郎さん(最終回のみ吉原光夫さん)が歌い、話題を呼びました。東北本線の本宮駅前には伊藤久男の胸像がそびえ立ち、横のボタンを押すと気軽に原曲を聴くことができます。ただ、「アアアァーイーーヨーーマンテェーー」とかなり大きな音量で歌声が響き渡るので、注意が必要かもしれません。
古関裕而は東急電鉄・西武鉄道・相模鉄道・三重交通といった鉄道・バス事業者の社歌も多く手がけ、いまもイベントなどでなどで歌われることがあるそうです。そのほか阪急電鉄グループで映画会社の東宝の社歌や、配給映画の音楽も多く手がけ、「エール」の次に放送される朝ドラ「おちょやん」のモデルとなる女優・浪花千栄子の出演作品にも数々の劇伴音楽を残しています。
さまざまなジャンルで歌い継がれる「古関メロディー」は、鉄道・バスの現場だけでなく、多くの人々の記憶にこれからも残ることでしょう。
【了】
Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)
香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。
乗りものニュースさんが、朝ドラを記事にするのは、珍しい、、
面白い記事でした。
一点だけ、福島駅から500mほど西側には生家跡
とありますが、正しくは東側です。
ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。
私も、ずっとこの歌の舞台は小海線だと思っていたのですが、沼尻鉄道だと知った時は、少々拍子抜けしました。でも、確かに3番の歌詞に「五色の湖」と、五色沼が登場していますね。記事にもあるように、メロディーの印象は小海線の方がぴったりの感じですけど。