東北本線の支線「利府線」に乗ってみた 幹線からローカル線、そして仙台の通勤路線に

仙台近郊に、わずか4kmほどの鉄道路線があります。「利府線」と通称されているそのJR線は、かつては東京と東北を結ぶ大幹線の一部でした。それが廃止されてもおかしくないほど利用者が減り、いまは通勤路線へと変貌を遂げました。

田んぼと新幹線…対照的な景色が広がる

 東北地方最大の都市として知られる仙台市。その中心部にある仙台駅(青葉区)から東北本線の下り普通列車に乗ると、ふたつ目の岩切駅(宮城野区)で線路は二手に分かれます。一方の線路は東北本線ですが、もう一方の線路も東北本線です。

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通称「利府線」を走る普通列車(2019年5月9日、草町義和撮影)。

 線名は同じでも終点は異なります。海寄りの線路は約180km先の盛岡駅まで延びている東北本線の「本体」。これに対し、山寄りの線路はわずか4.2kmの利府駅(宮城県利府町)まで結んでいる支線です。「本体」と支線を区別するため、支線のほうは「利府線」「利府支線」と呼ばれることもあります。

 2019年5月9日(木)の朝、仙台駅から利府行きの普通列車に乗ってみました。朝のラッシュとは反対方向ですが、仙台駅を7時52分に発車した6両編成の車内は座席がほぼ埋まっていました。列車は8時02分に岩切駅を発車して単線の「利府線」に入ると、盛岡方面に延びる複線の「本体」が右にカーブして離れていきました。

 進行方向右側(東南)の窓外は田んぼが広がっていて、いかにもローカル線の風情です。しかし、左側(北西)は打って変わり、たくさんの線路と新幹線の電車がズラリと並んでいます。東北新幹線の車両基地(新幹線総合車両センター)です。しばらくすると、列車は車両基地の建物に張り付くようにして設けられた新利府駅のホームに停車。ここで客のほぼ全員が下車し、車内はガラガラになりました。

 その後も右側に田んぼ、左側に新幹線の車両基地という対照的な景色が続きます。車両基地のほうをみると、最高速度400km/hを目指すE956形試験電車「ALFA-X(アルファエックス)」の姿が見えました。

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「利府線」の周囲は東南側に田んぼが広がり、北西側には新幹線の車両基地がある。
「利府線」の終点、利府駅の駅舎。
利府駅前はマンションや民家で埋め尽くされている。

 仙台駅を発車して17分、終点の利府駅に到着。駅の外に出ると、目の前には15階建てのマンションがそびえ立っています。その周囲を埋め尽くしているのも、比較的新しい民家です。仙台の郊外住宅地として開発されたことがうかがえました。

【地図】どう変わった? 東北本線と「利府線」のルート

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コメント

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4件のコメント

  1. 平たい田んぼばっかのところだから、新幹線の車両基地作ったんでしょ。
    九州新幹線の熊本車両基地、北陸新幹線の白山車両基地も同じ

    • 博多南線、博多南駅もそうだね

  2. 三セクになった方がかえって便利になっていたのかも。
    地下鉄や空港アクセス線をみた感じ、運賃高くても運行頻度高ければ利用しやすいし、自治体が鉄道と一体的に宅地開発したら人口増えそうだと思うけどな。

    • つくばエクスプレスか