1日1000便!超緻密な航空会社のダイヤ どう作る? ANA国内線ダイヤ作成担当者を直撃
キモの「ブロックタイム」とは? 5分単位の微調整
――ブロックタイムが見直された例は、どのようなものがあるのでしょうか。
たとえば現行の2020年12月から翌1月末までのダイヤの場合、羽田発高松行きの便がこれにあたります。この路線では、NH997便以外はすべてエアバスA321型機を用いていますが、NH531便、997便、537便、539便のブロックタイムが1時間20分なのに対し、533便と535便は1時間25分と延びています。
同じ路線で同じモデルで5分差がついているのは、実績で見てこれらの便は遅れている傾向にあるな……という経験則から決めているからです。この場合は、時間帯から見て空港管制の交通量が多くなっているというのも一因でしょう。
――ダイヤを設定するうえで、苦労するポイントはどのようなところでしょうか。
通常時のダイヤ設定は、5分単位のせめぎあいです。乗務員たちの勤務制限内に収まるパターンを決めれば、整備が間に合わないということもあります。一方、空港のスポット(駐機場)も、10分後ろ倒ししなければ駐機ができない、といったこともあります。お客様にとって利便性の高いダイヤ、そして私たちが作りたいダイヤという要素だけではなく、そういった全ての制約を調整するダイヤを組まないといけないというのが、難しいところですね。
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なお、大日向さんによると、出発ラッシュのときに滑走路前で飛行機が列をなしている……という状態も「もちろん加味して時刻表を設定しています」といいます。「一方で、スピードはお客様にとっての商品価値に直結するので、やみくもにブロックタイムを長引かせるというのもしません」と話します。
【了】
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