1日1000便!超緻密な航空会社のダイヤ どう作る? ANA国内線ダイヤ作成担当者を直撃
空港ごとの「ローカルルール」 伊丹や福岡にある「門限」とは?
――先ほど「羽田空港の発着枠」の話題がでましたが、そのほかの国内空港では、どういった「ローカルルール」があるのでしょうか?
代表的なものとしては、伊丹空港の運用時間制限や福岡空港などの「カーフュー(離着陸制限)」と呼ばれるルールがあります。これは「門限」のようなもので、離着陸できる時間帯があるのです。こういった空港では遅延がなかなか許されないので、遅延しにくいよう、ダイヤの構造に一層の工夫を凝らしています。
たとえば、北海道の路線は冬場に降雪による遅延が生じやすいです。そのなかで飛行機のやりくりを新千歳→羽田→福岡、もしくは伊丹という風にしてしまうと、新千歳で遅れてしまった場合にリスクが生じます。そのため福岡に入れる飛行機は、福岡→羽田→福岡→羽田……といったように遅延のリスクを回避しやすい運用の工夫を加えています。
このほか、空港の滑走路が短めであることから、使用できる飛行機に制約があるところもあります。基本的に短い滑走路を持つ空港は流動もそれほど多くはないので、アンマッチが生じにくいのですが、たとえば北陸新幹線が開業するまでの富山空港は、流動が多いわりに、滑走路が2000mであり投入する飛行機に制限がかかるといったようなケースもありました。
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