飛行機国際線「同時刻に同方面へ次々出発」“あえて”だった! ANAダイヤ担当者に聞く
平時日本からさまざまな海外都市へ就航する国際線ですが、成田空港などで時刻表を見ると、「同じような時刻に同じような行き先へ出発」している傾向も見られます。これはなぜなのでしょうか。ANAのダイヤ担当者に理由を聞きました。
同時刻に米3都市へ出発!? 「バンク構造」とは
2020年はいわゆる「コロナ禍」で例外的な年となりましたが、平時であれば成田空港や羽田空港などからは、世界中の各所へ国際線が飛んでいます。ただ、空港で時刻表を見ると、「同じような時刻に同じような行き先へ出発」している傾向も見られます。
たとえばANA(全日空)の成田発便であれば、16時から18時ごろまでアメリカ線が固まって出発していました。とくに顕著なのが17時近辺です。00分にロサンゼルス行きとサンフランシスコ行き、サンノゼ行き、ワシントンD.C行き(他社運航)が出発。その5分後にはシカゴ行き、ヒューストン行き(他社運航)が出発……とまさに“矢継ぎ早”です(ダイヤはコロナによる減便前の2020年2月1日から3月28日までのもの)。なお、到着も15時前後に固まっている傾向があります。
なぜこのような現象が発生するのでしょうか。ANAでダイヤ作成を実施する企画室ネットワーク部によると、これはとある戦略が関わっているといいます。
「ダイヤを固めて国際線を運航するのは『バンク構造』というもので、この背景にあるのは、ANAが現在採用している、『ハブアンドスポーク』という航空戦略です」(ANA 企画室ネットワーク部)
ANAによると「ハブアンドスポーク」は、ネットワークを自転車の車輪のような形で展開していく考え方とのこと。車軸(ハブ)は成田などの「ハブ空港」で、これを中心に目的地の空港を「スポーク(車軸からタイヤ部分に伸びる針金)」とし、路線網を構築するものといいます。
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