アメリカ「自作飛行機」普及の意外なワケ 自分で組み立て、自らパイロット兼整備士

航空機大国アメリカでは、未完成の飛行機が売っています。自分で組み立て、自ら整備し、自身で飛ばす……そうした「ホームビルト機」が航空産業を支えるほど普及したのには、ワケがありました。

すでに1世紀前からアメリカで飛んでいた「自家製飛行機」

 アメリカでは、航空黎明期といえる1920年代より自作飛行機を製作して飛ばすことが広く行われてきました。

Large 20201226 01
ホームビルト機の最大手、オレゴン州にあるヴァンズ・エアクラフト社の「RV6」(細谷泰正撮影)。

 1930年代には、すでに自作機の安全基準が制定され、それを満たす機体は実用機としての飛行が認められていたのです。それは自宅で組み立てられることから「ホームビルト機」と呼ばれ、設計を含めて一から自力で行う場合もあれば、設計段階の検査をすでに受けている組み立てキットを購入して、それを組み立てる方法などがあります。

 しかもアメリカには、キットを組み立てたホームビルト機を自家用機として使用することを後押しする制度があります。これは通称「51%ルール」と呼ばれる制度で、組み立て作業の51%以上をユーザー自身が行うのであれば、完成した機体の整備士資格も限定的ながら自動的に付与されるというものです。

 この制度により、自分が組み立てた機体を、自分で整備して、自家用機として使用することができるのです。こうすることで、購入費用と維持費の両方を安く抑えられるという大きなメリットがあるのです。

 1980年代になると、それまで一部の愛好家による趣味の領域であったホームビルト機が一躍脚光を浴びるようになりました。要因はメーカーに対するPL(製造物責任)が大きくなったことです。同時期、PLを問う判例が相次ぎ、航空機メーカー各社には高額な賠償負担とともに急騰した保険料がのしかかったのです。

【写真】キットとは思えない! 様々なアメリカ製ホームビルト機たち

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. 40年以上前に、エンジン抜きのキットが1200万から、と読みました。それと自作機かどうかはわかりませんが冷戦下で欧州線が立ち寄ったアンガレッジの空港に多くの小型機が止められていました。大切な移動手段なのでしょう。

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス