2020年話題になった自衛隊航空機5選 消えた空の守り神 世代交代の転換点に
「空飛ぶ卵」の退役と東京を沸かせた「ブルー」の軌跡
首都圏上空を飛び、話題になった機体もありました。
陸自ベテランヘリコプターOH-6D完全退役(3月)
陸上自衛隊において40年余りにわたり運用されてきた小型機、OH-6D連絡観測ヘリコプターが3月26日、完全退役を迎えました。
OH-6Dはアメリカのヒューズヘリコプターズ(現・MDヘリコプターズ)が開発した4人乗りの小型回転翼機で、川崎重工がライセンス生産し、陸上自衛隊では1979(昭和54)年から導入しています。なお、陸上自衛隊では193機調達していますが、この数は陸上自衛隊が装備した各種航空機のなかで最も多い数です。
OH-6Dの前のタイプであるOH-6Jは1969(昭和44)年から1979(昭和54)までに川崎重工のライセンス生産によって、1997(平成9)年までに117機が生産されました。そのため、原型のOH-6J時代から通算すると、陸上自衛隊でOH-6シリーズを運用していたのは50年以上になります。
同機は海上自衛隊でも練習機などとして運用されており、まさしく一時代を築いた航空機でした。
「ブルーインパルス」東京上空を飛ぶ(5月)
2020年は新型コロナウイルスが猛威を振るいましたが、その対応にあたる医療従事者らへ敬意と感謝を届ける目的で5月29日に行われたのが、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」による東京上空の航過飛行です。
埼玉県入間基地を飛び立った6機編隊の「ブルーインパルス」は、板橋区辺りから南東方向に向けて飛行、東側の江戸川区や葛飾区近辺で大きくUターンし、今度は品川区や目黒区の方角を目指して南西方向に飛んだのち、川崎市中原区付近で再びUターン、世田谷区や新宿区上空を抜け、板橋区に戻るという8の字ルートを2回飛びました。その間、都心上空に大きく白いスモークを描いています。
当日の天候は晴れ。青空が広がるなかに幾重もの白いスモークラインがたなびき、各地で多くの人たちがカメラやスマートフォンを空へ向けていました。
「民間空港は国土交通省の飛行点検機が担っています。」とされていますが、航空自衛隊では飛行検査を行う航空機を飛行点検機と呼んでいますが航空局では飛行検査機と呼称しています。