気がつけばあと4両 絶滅危惧種の事業用車「クモヤ143形」 一部は乗務員の訓練用に

JR東日本にはわずか4両だけが残っている車両がいます。それがクモヤ143形です。事業用車両のため派手な運用はありませんが、E493系事業用電車が投入されると姿を消してしまうかもしれません。

かつては急行列車の先頭に立ったことも

 JR東日本に在籍している事業用車「クモヤ143形」が絶滅の危機に瀕しています。

 クモヤ143形は、首都圏の山手線や京浜東北線などの保安装置がATC(Automatic Train Control=自動列車制御装置)化される際、それまで使用していたクモヤ90形が老朽化していたこともあって、1977(昭和52)年から1980(昭和55)年にかけて0番台21両が新製されました。

 主な使用目的は、電車区(車両基地)での構内入換や、車両工場で検査のための入出場、廃車時などの車両けん引です。浦和電車区(現・さいたま車両センター)や松戸電車区(現・松戸車両センター)、品川電車区(現・東京総合車両センター)などに配置され、編成が解かれた103系電車などをけん引したほか、軌道検測用のマヤ34形客車もけん引しています。

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山手線内回りで高速軌道試験車マヤ34形をけん引するクモヤ143形(伊藤真悟撮影)。

 回送列車という地味な運用についていたクモヤ143形ですが、1987(昭和62)年1月から3月にかけて165系電車を使用した逗子発南小谷行き(復路は信濃森上発逗子行き)の臨時急行「白馬山麓スキー号」が運転された際、経由する根岸線・京浜東北線の大船~東神奈川間がATC区間のため、逗子~橋本間ではATC装置を搭載しない165系電車の前にクモヤ143形を連結するという、珍しい姿も見られました。

 臨時急行「白馬山麓スキー号」は1988(昭和63)年と1989(昭和64・平成元)年の1月・2月にも運転。1992(平成4)年には大船~甲府間で「ホリデー快速やまなし号」、1993(平成5)年には同じく大船~甲府間で「ホリデー快速やまなしピクニック号」も運転され、同様にクモヤ143形が先頭に立っています。

【写真】激レア? 2階建てグリーン車をけん引するクモヤ143形

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コメント

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2件のコメント

  1. これも撮り鉄の罵声の餌食になるんやろな

    • 少なくも こういうコメントを書けば意識高い系 の勘違いは出たようだな