アメリカ大統領 専用ヘリも“交代”間近 40年選手「マリーン・ワン」VH-3 更新遅れた理由

「マリーン・ワン」=コールサイン 機種名ではありません

 なお、比較的よくメディアに取り上げられる大統領専用ヘリコプターは、前出のVH-3Dですが、それ以外の機体も「マリーン・ワン」として用いられることがあります。たとえばUH-60「ブラックホーク」がベースの「VH-60N」。この機体は、任務の性質上、通称「ホワイト・ホーク」または「プレジデント・ホーク」と呼ばれる機体で、VH-3Dと比べてアメリカ空軍の輸送機に搭載しやすいことから、大統領の外国訪問などで、相手国に持ち込まれ、そこでの移動などに用いられることの多い機体です。

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外国で運用されることの多い大統領専用ヘリVH-60N「プレジデント・ホーク」。後方にはアメリカ空軍が運用する大統領専用機「エアフォース・ワン」の姿も(画像:アメリカ空軍)。

 このほかにも第1海兵ヘリコプター飛行隊には、大統領の随行員や物資輸送など各種支援用として、「マリーン・ワン」に似たカラーリングのMV-22「オスプレイ」ティルトローター機やCH-53「スーパースタリオン」輸送ヘリコプターなども装備していますが、これらは基本的にアメリカ大統領の乗機としては用いられません。

 なお、VH-3DやVH-60Nといった大統領専用ヘリコプターはすべて「マリーン・ワン」と呼ばれるわけではありません。「マリーン・ワン」というのはあくまでも運用時の「コールサイン」です。アメリカ大統領が搭乗しているからこそ用いられる無線の呼出符号のため、厳密には大統領が乗っていなければ「マリーン・ワン」とは言いません。

 VH-3DとVH-92Aが交代する時期は、目前に迫っています。そう考えると、バイデン新大統領がVH-3Dに搭乗する期間は1年ありません。その意味では、新大統領とベテランの大統領専用ヘリの組み合わせは、いましか見られないものであり、ある意味で貴重といえるでしょう。

【了】

【写真】「マリーン・ワン」そっくりの塗装が施された「オスプレイ」

Writer: 柘植優介(乗りものライター)

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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1件のコメント

  1. バイデン搭乗させて墜落してくれりゃ大快挙