訓練開始した陸自オスプレイ「背中のコブ」は何? 米軍仕様にはない日本独自装備とは

千葉県の木更津駐屯地に配備された陸上自衛隊のV-22「オスプレイ」。機体後部を見るとアメリカ軍の「オスプレイ」にはない丸い皿らしきものとフレームがあります。日本独自の仕様、役割は何なのでしょうか。

カラーリング以外にも違いがあった日米の「オスプレイ」

 陸上自衛隊のティルトローター機V-22「オスプレイ」が、千葉県の木更津駐屯地で飛行訓練を開始しました。

日の丸を付けた陸自仕様の「オスプレイ」、よく見ると塗装以外にもいろいろアメリカ軍仕様の機体(MV-22およびCV-22)と異なる点が見受けられます。とくに目立つのは、背中のコブとその右わきにある黒いフレームではないでしょうか。これは何なのか、調べてみました。

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陸上自衛隊仕様のV-22「オスプレイ」。機体後部、いわゆるテール部分にアメリカ海兵隊や空軍が使う「オスプレイ」に見られないもの(赤と青の矢印)がある(画像:陸上自衛隊)。

 まず黒くて細長いフレームはHFアンテナです。HFとは「High Frequency」の略で、短波と呼ばれる電波のことをいいます。

これは、長距離通信を行うため短波の特性を活かして通信を行う装置です。電波は基本的に、まっすぐにしか飛びません。地球は丸いため、水平線の向こう側にいる相手には原則として電波を届かせることができませんが、短波は電離層で反射する特性を持つため、まっすぐ飛んで行った先の電離層で反射することで、水平線の向こうにいる相手に電波を送ることが出来ます。

この特性を行かすことで長距離通信を行えるのですが、欠点として電波が届かない不感地帯が発生し、相手と交信が行えない場合があります。とはいえ、遠距離でも通信が確保できるため昔から使われており、陸上自衛隊もいまだに多用していることから、同様のアンテナは様々な航空機に装備されています。

【写真】既存のCH-47JA「チヌーク」ヘリと並んだ日本仕様の「オスプレイ」

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