着陸時のエンジンパカッ「逆噴射」 実は控えめモードも存在! ANA乗員に聞く「使い分け」とは
旅客機は着陸時、接地直後にエンジンのカバーを開け、進行方向とは違った向きに空気を噴き出す、いわゆる「逆噴射」を行います。ただ近年は、これを控えめにする場面もあるとのこと。詳細をANAのパイロットに聞きました。
着陸後の大きな音の正体「逆噴射」
旅客機は着陸時、接地した直後に「エンジンをふかす」ような大きな音を立てて減速します。
ANA(全日空)のパイロットによると、着陸後の制動はスポイラー、タイヤのブレーキ、機体そのものの抵抗、そしてエンジンの逆噴射装置が大きな効果をもつとのこと。この逆噴射装置が、いわゆる先述の「大きな音」の正体です。
現代のジェット旅客機の多くでは、「逆噴射」を実施する際、エンジンのカバーが真ん中付近でぱっくり「割れる」ように開きます。
通常ジェットエンジンは、前から取り込んだ空気を後ろに噴射し推力を得ますが、逆噴射のときは、後ろに噴射する気流がほぼすべてせき止められ、その空気がエンジンの「割れ目」から吹き出ます。このことで進行方向と反対側の力が機体に加わり、機体のスピードを落とします。つまり、通常とは違った向きにエンジンをふかして減速するイメージです。
この「逆噴射」による減速は大きな効果を発揮しますが、ANAのパイロットによると、近年は、あえてこの逆噴射推力を小さくとどめる「リバースアイドル」で減速を図るケースもあるようです。
むか~し、空港の展望デッキで飛行機を眺めていたら、
B737-200が着陸するときに細長いエンジンカバーの上半分(確か)がパカッと開いて着陸する様子を見て衝撃的だったW