国内空港「凄テク着陸」はどこで実施? ANAパイロットに聞く 超レアなものも…

旅客機が着陸するルートは、同じ空港であっても、複数のパターンが存在するのが一般的です。国内空港のなかで、パイロットにとって“腕の見せ所”となるような着陸進入ルートはあるのでしょうか。ANAのパイロットに聞きました。

「VOR-A」の着陸はどこがポイント?

 羽田空港で実施される珍しい着陸進入「VOR-A」はJR蘇我駅(千葉市)から西の東京湾沖合へ12~13kmあたりの「DARKS」というポイントから始まり、東京湾上空を西に向かって羽田空港に近づいていく飛行コースです。進入のポイントは、「滑走路が見えた後にいかに着陸に向けて旋回していくか」だそうです。

「一般的な飛び方としては、西に向かって空港に近づいたのちに右へ60度ほど旋回し『ダウンウィンド』と呼ばれるC滑走路と並行に飛ぶルートに入ります。そののちお台場の南側あたりで180度旋回して滑走路16Lに正対し、着陸することになります」(ANAのパイロット)

Large 20210226 01
羽田空港の滑走路配置(画像:国土地理院)。

 このダウンウィンド以降の飛び方は「場周経路と呼ばれて訓練で基本となる飛び方」とのことから、パイロットにとっては慣れた飛び方といえそうですが、いわゆる“腕の見せ所”となるのは、その前の段階とのこと。

「このダウンウィンドに入る部分では空域が限られていて、ダウンウィンドへのエントリーが計画していた位置とズレてしまうと、その後に飛行コースを修正する空間の余裕がありません。すると、その後の場周経路の飛び方がしっかりとできなくなるので、その意味で技術が必要です。この飛び方は、DME(地上から距離情報を出している施設)の数字がいくつになったら旋回開始するのか、ダウンウィンドで正面にどの地上物標が見えれば適正な位置なのか、などの事前計算や準備が重要となってきます」(ANAのパイロット)

 なお、D滑走路が供用開始される2010(平成22)年まで羽田空港では、VOR-C(ブイオーアール・チャーリー)アプローチという進入方式で16Lへの着陸というのがありました。お台場の南側にある埋立地に向かって北西向きで近づき、最後は城南島付近を左旋回しながら16Lに着陸する方法で、これは「羽田カーブ」とも呼ばれる名物でした。

 ANAのパイロットによると「羽田カーブ」と先述のVOR-Aは「最後の1~2分間は同じような経路を飛んで着陸する」という共通点があるといいます。ただし、「羽田カーブ」は実施頻度も高く、1500フィート(約460m)からの最終降下の経路や高度処理の目安がおおむね確立されていたことなどから、現在のVOR-Aの方がより技術が求められるのでは……と話します。

【航路図】超レアな腕の見せ所「VOR-A」16L進入のイメージ

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  1. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  2. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス