地下30mの洞窟基地に眠るSAABと日本製ヘリ「武装中立」スウェーデンの凄み

北欧スウェーデンは、1800年代初頭から1992年まで中立を国是としてきました。一方で冷戦時代には万一に備え、国内各地に洞窟をくりぬいた秘密の飛行場を建設していました。その内の一つは現在、博物館として公開されています。

なぜここに? 洞窟内にある日本由来の機体

 ヨーテボリの航空博物館には、日本由来の機体も展示されています。それが「ボーイング・バートル川崎KV-107」です。同機は、アメリカの回転翼機メーカーであるバートル(現ボーイング・ロータークラフト・システムズ)が開発したV-107の製造販売権を、日本の川崎重工業が買い取って生産したヘリコプターで、メインは自衛隊向けの輸送・救難用だったものの、一部は外国にも輸出されました。

 スウェーデンでは1960年代に空軍と海軍の両方で導入し、救難や対潜水艦作戦用として1990年代初頭まで運用していました。ヨーテボリの航空博物館には、2機が展示されています。

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サーブ35「ドラケン」やサーブ37「ビゲン」などとともに展示されるサーブ29「トゥンナン」(細谷泰正撮影)。

 スウェーデンは、地理的にドイツや旧ソ連(ロシア)など、軍事大国の近くに位置しながらも、第2次世界大戦はもちろん、冷戦の真っただ中においても中立を貫きました。それを可能にしたのが優れた技術力と独自の防衛政策であることは確かです。

 加えて、この国は冷戦終結から20年が経過した2010(平成22)年まで、兵役の義務が存在していました。博物館として開放されているとはいえ、地下深くの格納庫を訪れると、兵役の義務とともに同国の国防への覚悟を実感することができます。

 同国は高福祉国家としても有名ですが、人口はおよそ1000万人。経済規模では東京都よりも小さいスウェーデンが、一貫して独自の戦闘機を造り続けてきたことは称賛に値すると筆者(細谷泰正:日本オーナーパイロット協会理事)は考えます。

【了】

【写真】洞窟転用の博物館に展示される日本製ヘリコプター

Writer:

航空評論家、各国の航空行政、航空機研究が専門。日本オーナーパイロット協会(AOPA-JAPAN)元理事

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  1. なぜかtwitterのトレンドに上がっていた。

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