コロナで「1万5000機が駐機」した航空業界 ボーイングはどう動く? 幻の「797」も言及

新型コロナの影響を受ける航空業界、航空機メーカーは今後どのように舵を切るのでしょうか。ボーイングが、今後の見通しや計画が見直されたいわゆる「797」、デビュー予定の超大型機「777X」などについて説明しました。

退役率はしばらく5%まで上昇

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受け、2020年から航空業界は世界的に先の見通せない状況が続いていますが、航空機メーカーはどのように舵を切っていくのでしょう。

 アメリカの航空機メーカー、ボーイング民間航空機部門インド、東南アジア&アジア太平洋地域マーケティング担当のデビッド・ショルティ マネージング・ディレクターが2021年2月26日(金)、報道陣むけの説明会を開きました。

 2020年12月の国内線は前年比約57%、国際線は前年比約15%まで旅客数が落ち込みました。同氏によると、地上に駐機中の旅客機は、2020年3月から4月ごろまでがもっとも多く、このときには約1万5000機に上ったとも。飛行機の年間退役率も平時は約2%程度なのに対し、今後10年間は5%以上になると予想しています。ただし、2020年度もいわゆる貨物便は好調で、約50%まで減った旅客便に対し、貨物便は前年比で約120%となっています。

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コロナ禍、羽田空港にならぶJALとANAのボーイング機たち(2020年、乗りものニュース編集部撮影)。

 同氏は「2024年まではチャレンジングな期間が続く」としているものの、「過去のショックなときも、航空業界は回復してきました」とも。今後も航空会社へ新型機の納入(デリバリー)は続くと見込んでおり、2029年までは1万8350機が、2039年までには4万3110機が新たにデリバリーされるだろうと、予想していました。

 とくに737MAX8といった「単通路の中型機」については、1席あたりのコストが高い「小型機」と1フライトあたりのコストが高い「大型機」の中間に位置することから「もっとも効率が良い」としています。また、上記のデリバリー数予測でも、単通路機がいずれも約75%を占めると予測しています。

【表】2020年に「地上待機」した飛行機 機種別&月別データ

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