米海軍が続々導入の高性能レーダーシステム「SPY-6」 日本も他人事ではない理由とは

SPY-6最大の特徴は戦闘システムへの負担軽減

 上記の点に加え、SPY-6が誇る最大の特徴は、捕捉した目標のデータを自前で処理する能力を備えている点です。これまで、レーダーで捕捉したデータは艦艇の戦闘システムに直接、送られ、そこで処理が行われて目標の位置を確定していました。ところが、SPY-6は艦艇の戦闘システムから独立した独自のデータ処理装置を備えているため、そこにかかる負担を大幅に軽減することができるのです。さらに、SPY-6のデータ処理装置と艦艇の戦闘システムが切り離されたことで、それぞれの性能向上も別個に行うことができ、将来の脅威に対して容易に対応することが期待できます。

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SPY-6(V)2。周囲のトゲトゲは電波暗室の壁(画像:レイセオン)。

 日本国内では2021年3月現在、地上配備型迎撃システム「イージスアショア」の配備計画がとん挫したことを受け、海上自衛隊で運用が予定されている「イージスシステム搭載艦」に装備する戦闘システムやレーダーの詳細について検討が進められています。上記の点を踏まえると、SPY-6はその非常に有力な候補になると筆者(稲葉義泰:軍事ライター)は思います。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. レイセオンの1社独占状態だと、不具合見つかると全滅するから微妙だと思うんだがなー