むしろ混むだけ? 高速道路「休日割引」見直しへ 「本来は観光振興が筋」

国が高速道路料金の広範な見直しを検討しています。各種の割引制度が焦点となっており、レジャーには嬉しい土休日の休日割引も、見直される方向。本来の意図にそぐわない、という意見も出ています。

地域振興になってるの? 休日割引の功罪

 国が高速道路料金の広範な見直しを検討しています。2021年3月10日(水)に開催された有識者会議、第49回国土幹線道路部会において、その概要が改めて示されました。各種割引制度の効果と課題が議論されており、土休日における休日割引も見直される方向です。

 休日割引は、土日・祝日にNEXCO3社が管理する地方部の高速道路(東京・大阪近郊は対象外)などをETCで利用した場合の割引制度で、2000年代の開始時から割引率は変化してきたものの、現在は30%となっています。

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高速道路における休日割引が見直される方向。写真はイメージ(乗りものニュース編集部撮影)。

 その目的は観光需要を喚起し、地域活性化を図るためですが、これにより大都市圏へ向かう高速道路を中心に渋滞が発生していること、また通院や送迎といった観光以外にも適用される点が課題として挙げられています。直近で全国規模の交通量調査の結果が出ている2015年のデータでは、休日における観光以外の目的の高速道路利用は約47%にものぼるそうです。

 また、資料では「交通量の増減と観光関係指標(入れ込み客数、消費額)の間に、明確な相関関係は確認できない」としています。高速道路の割引によって交通量が増加しても、それが必ずしも地域の消費増に結びついているわけではないようです。

【画像】ちょっと前までもっと安かった休日割引の変遷

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コメント

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5件のコメント

  1. これと少し違うかもしれませんが、瀬戸内海のフェリーに廃業に追い込まれたのがあったりしましたね。

  2. 休日割引を通院にも適用される点が課題って、まじめに言っているのか?

    こんな人たちに手当を出して議論していること自体が無駄なような気がします。

    通行料をいかに負担を少なくするために議論してくれませんかね?そういう約束だったのですよ・・・

  3. 平日の首都高を走った事あるのかな?
    物流は夜に、レジャーは休日に割り振るのはおかしく無いと思う。
    むしろ、休日に走っている人はどうでも良い用事の人がほとんどだから、渋滞も思い出。

  4. 単なる値上げの理論。
    ETC導入直後にこのような制度を作った理由に立ち返るべき。

    公表資料だけの建前論でやるなら、渋滞の起きる路線(≒大都市近郊区間)は割引しないという議論をすべきところ、全体の値上げをしたいものだから個人旅行や帰省を邪魔したいかのごとき暴論が出てくる。
    なんでベンダーロックインされた方法で旅行しなきゃいけないのさ。

    もし値上げという結論は委員の中ではコンセンサスがとれているのであれば、
    値上げありきを公表内容の目的(結論)においた上で、値上げの犠牲にするならどこに大義名分が立つかという理論でやるべき。

  5. 休日割引には、オフピークを促すとか、需要の平準化という意味もあると思うけど。観光を促す意味だけではない。
    だから、都市圏も地方も一緒くたに論じることが納得できない。
    ETCによって、細分化した取り扱いができるようになって、首都高速の従量制(距離制)ができるようになったというのなら、1 時間帯 2 どこの道路か 3 車両重量 によって、それぞれ、割引率を変えるとか、できるはず。
    軽自動車枠を一律になくすというのもおかしいと思う。
    車両重量によって比例化するというのは行き過ぎかもしれないけれど、通行する車両の重さによって、舗装の痛みが違うのは、実際の道路を見ていれば、一目瞭然ではないですか。
    轍ができるのは、10トンクラスの大型車の幅だから。