2021年3月で廃止のバス路線まとめ【東日本】 世田谷のくねくね路線 北海道の最果て路線も

ルートを決めるのもひと苦労? 自治体のバス、それぞれの道へ

 地方自治体が運行する路線バスでは、自治体の補助などの調整が不調となり、路線が廃止される事例が増えています。

●広域公共路線バス「館林・明和・板倉線」
廃止区間:板倉東洋大前駅~館林駅前~厚生病院前

 群馬県南部の東に突き出た館林市周辺地域では、1市4町が参画する「館林市外四町地域公共交通会議」の協議をもとに、複数のバス路線の運営が民間に委託されています。そのなかで今回廃止される「館林・明和・板倉線」は、東武伊勢崎線 川俣駅ロータリーへの乗り入れを要望する明和町と、従来通り館林市内への乗り入れを希望する板倉町などで負担金の調整がつかず、年度末での路線廃止が決定しました。

 その後2021年3月には事実上の和解に至ったものの、両町はすでに独自の路線を整備しており、「館林・明和・板倉線」はそのまま廃止となります。自治体が共同でバスの運行を行う形態は全国に数多くありますが、今後の運営の難しさに課題を残したと言えるかもしれません。

※ ※ ※

 路線バスの廃止後、予約制の「デマンドバス」に切り替えられる例が全国的に見られますが、埼玉県幸手市のように、予約時間の集中などさまざまな問題が出たため、再度路線バスとしての運行に踏み切るような例も出ています。今回廃止されるバス路線も時間帯などによって利用が多いケースもあり、それでも路線を維持できないのが難しいところです。

【了】

【写真】間もなく廃止 バスで行ける「最果て」の光景 北海道「サロベツ線」

Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)

香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。

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コメント

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2件のコメント

  1. 都立01は以前黒05といって目黒駅始発でした。電車だと45分程度で行けるところ、謎の大回りを続けて2時間位かかり、子ども心でもなんでこんなルートなんだろうと思っていました。あの系統が無くなるのかというのはいろいろ感慨があります。

    一方で横浜市営バスの94系統はたまに使うのですが、金沢区役所近辺は官公庁が集積しているにも関わらず、どの駅からも、とのバス停留所からも距離があります。その中で94系統が唯一区役所前に乗り入れていた公共交通機関だったので、交通弱者(得てして行政のサービスに頼る率が高い)の方々にとってはなかなか厳しいことになるのではと思っています。

  2. ありがとうございます。コロナ禍の中、致し方がないことでありますね。これはバス路線などに限らずに日常生活全てにおけることであり、全ての始まりいわゆる「当面のあいだ」からの始まりであります。自分の記事に何度も書いているように「当面のあいだ」とは実質それ(当面)以降が正式に決定することを前提としている為の暫定措置(暫定期間)であり、元サヤ(当面以前)に戻る事と言う意味ではないのです。今回のバス路線の廃止も既に「当面のあいだ」の時点で廃止決定を前提としていたに間違いないと思われ、後日正式に廃止決定にした事と思われます。この記事はバス路線についてではありますが、他の交通機関でも「当面あいだ運休」から「廃止・廃便」に至ったり、「当面のあいだ減便」が「ダイヤ改正」名目で「減便後のダイヤが正式なダイヤ(=当面の期間と同じ)」、そして飲食業界を中心に商業施設などでは「当面のあいだ時短営業」が営業時間変更名目で「新・営業時間(=当面の期間と同じ)」になったり、最悪の場合は「当面のあいだ休業」がそのまま「完全閉店」つまり「永遠に休業」即ち廃業になったケースが極めて多数あるのも現実的であります。非常に残念極まりないことですが、これが現状であります。