電車や機関車の「前」ってどっち? 判別の決め手は「車体の数字」

旅客車と貨車にある丸囲み「1」「2」の意味

 JRの旅客車や貨車に標記される丸囲みの「1」「2」は、機関車とは意味が若干異なります。

 同規程で電車の前位は以下の通り定められています。ただし、ふたつ以上の条件に該当する場合は、上位のものが優先です。

イ:運転室(回送用運転装置付のものを除く)のある場合は運転室側。但し、両側に運転室のある場合は、主たる運転用操作機器のある運転室側

ロ:運転室のない場合は、車内において車端に向い、制御回路の引通しが左側となるときの前方

ハ:出入台が一端のみにある場合は、出入台のない側

ニ:合造車は優等室側、食堂、郵便、手荷物等の各室と客室との合造車は客室側、郵便室と手荷物室との合造車は郵便室側

ホ:各等全室で一端に便所のある場合は、便所のない側

ヘ:食堂全車は、料理室のない側

 また、同規程の第3条には「車両各部分の称呼順位は、前位から後位に順次1位、2位、3位と呼び、左右に並列するものは、前位の右を1位、同左を2位と呼び、以下右から左に順次後位に及ぼすものとする」とあります(機関車も同様)。

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電車を上から見たときの前後関係と丸囲み「1」「2」の位置。運転室がある場合は運転室側が前位。運転室がない場合は制御回路の引通しが左側となるときの前方が前位となる(乗りものニュース編集部作成)。

 JRの電車ではこの規程に従い、前位の右(1位)側に丸囲みの「1」、前位の左(2位)側に丸囲みの「2」を標記。気動車、客車、貨車もそれぞれ前位を決める規程があり、同様に前位側に丸囲みの「1」「2」を標記しています。なお、電車も含めて後位(3位、4位)の標記はありません。

 簡単に言ってしまえば、JRの機関車にある四角囲みの「1」「2」は前後を意味し、JRの旅客車と貨車の丸囲みの「1」「2」は前位の左右を意味するのです。

 余談ですが、JR貨物のコンテナにも丸囲みの「1」「2」を標記しています(31フィートコンテナには丸囲みの「3」「4」も)。

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コメント

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2件のコメント

  1. 同じ車両(編成)の運転台でも1位、2位、片側にしか無いスイッチとかもありますね。

  2. 小田急は側面ではなく妻面に前位の1と後位の2を標記してて、国鉄の客車に似てるなあと思います。

    東武や名鉄などは車両に向きの標記はしてないですが、台車を見ると番号が書かれてありこれで向きがわかるようになっているようです。

    それ以外にも乗降扉の車内側にはJRや一部の私鉄では前から順番に位置を表すステッカーが貼られていますね。これもJR東日本や東武などのようにアルファベットのABを併記した書き方や、小田急や西武のように両開き扉でも1箇所で1つの同じ数字をあたるパターンや、国鉄車やJR東海・四国・九州のように両開き扉でも1枚1枚に順番に番号をあてているパターンがあったりと多種多様で面白いです。