電車や機関車の「前」ってどっち? 判別の決め手は「車体の数字」

運転室がある側が前位ではない電車も

「車両各部分の位置の称呼規程」では、電車は項目の最上位に「運転室(回送用運転装置付のものを除く)のある場合は運転室側」が前と記されています。しかしながら、これに該当しない車両も存在します。

 JR西日本では自社で新造投入した221系電車から、電車については下り(下関)方の先頭車の前位を運転台でない側としています。これは車両の前位を上り(東京)方に統一したためです。そのため、下り(下関)方先頭車のクハ221形は運転台とは反対側が前位となり、丸囲みの「1」「2」を標記しています。

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下り(下関)方先頭車のクハ221形は運転台側ではなくトイレ側が前位のため、2位側を表す丸囲みの「2」はトイレ側に標記する(2021年2月、小坂弘之撮影)。

 JR西日本は、気動車(ディーゼルカー)についても、キハ187系やキハ189系は「車両各部分の位置の称呼規程」を踏襲しましたが、「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」に使用する87系の下り方先頭車(1号車)であるキイテ87-2は、運転台側ではなく客室用の出入口側が前位です。

 編成の向きを統一した例では新幹線電車でも見ることができます。東海道・山陽新幹線では下り(博多)方を前位とし、N700Sの上り(東京)方先頭車(16号車)の744形は、15号車側が前位となっています。東北・北海道新幹線に使われるE5系も同様に、新函館北斗方先頭車(10号車)のE514形は、東京方が前位となります。

 新幹線電車も先頭部を除く前位側の妻面(端面)に丸囲みの「1」「2」を標記していますが、連結面が全周ホロで覆われているため普段は見ることができません。

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コメント

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2件のコメント

  1. 同じ車両(編成)の運転台でも1位、2位、片側にしか無いスイッチとかもありますね。

  2. 小田急は側面ではなく妻面に前位の1と後位の2を標記してて、国鉄の客車に似てるなあと思います。

    東武や名鉄などは車両に向きの標記はしてないですが、台車を見ると番号が書かれてありこれで向きがわかるようになっているようです。

    それ以外にも乗降扉の車内側にはJRや一部の私鉄では前から順番に位置を表すステッカーが貼られていますね。これもJR東日本や東武などのようにアルファベットのABを併記した書き方や、小田急や西武のように両開き扉でも1箇所で1つの同じ数字をあたるパターンや、国鉄車やJR東海・四国・九州のように両開き扉でも1枚1枚に順番に番号をあてているパターンがあったりと多種多様で面白いです。