プリウスどう出る? 人気に陰り 燃費はヤリスに軍配 イメージ転換は必要なのか

EVシフトの流れでポツン…? ハイブリッドのプリウス

 さらに、欧州発となるEV(電気自動車)シフトというトレンドもあります。欧米や中国では、エンジン車からハイブリッド車ではなく、それを飛び越えたEVへと向かう動きが出ています。これもハイブリッド車の代名詞的な存在であったプリウスへの逆風になったのかもしれません。

 では、この先、プリウスはどうなっていくのでしょうか。先進の環境対策車としてEVになってしまうのでしょうか。あるいは、水素を燃料とするFCV(燃料電池車)とし、庶民派「MIRAI」ともいうべき手が届く価格のクルマになるというアイデアもあるでしょう。

 ただし、筆者(鈴木ケンイチ:モータ―ジャーナリスト)の予想は、キープコンセプトです。

 理由はいくつもありますが、重要なのは、「EVシフト」への流れはまだ決定したものではないということ。確かに欧米ブランドは、熱心にEVシフトを喧伝していますし、それを後押しする報道も数多くあります。しかし、実際にはEVが売れているわけではありません。特に日本市場では、まだまだです。

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ヤリス(画像:トヨタ)。

 前出の自販連は、新車の「燃料別販売台数(乗用車)」ランキングも公開しています。その最新データとなる2021年3月の国内販売のうち、EVが占める割合は、わずか0.8%に過ぎません。一方、ハイブリッドは38.9%にもなります。現状の日本ではハイブリッドの重要性はゆらぎません。

 そもそもEVシフトを推す理由は、「CO2(二酸化炭素)排出の削減」です。しかし、CO2削減はEV以外にも、CO2由来の液体燃料や水素を使うFCVなどの選択もあります。また、EVは電池の生産に大量のCO2を排出するので、クルマのライフサイクルを長い目で考えると、EVがハイブリッド車よりも圧倒的に優れているとはいいにくくなります。つまり、未来のクルマの環境に対する最適解は、まだ決まっていないのです。

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