どう使う? 折り畳めるヘリコプター「ブラックホーク」「シーホーク」 実は自衛隊機も畳める
日本の独自改良仕様もとうぜん折りたためます!
なお、UH-60「ブラックホーク」やSH-60B「シーホーク」は、それぞれ日本独自の改良が施されて陸海空の3自衛隊すべてで導入・運用されています。前者はUH-60JおよびUH-60JAとして、後者はSH-60JおよびSH-60Kという型式が付けられています。
SH-60JおよびSH-60Kは原型のSH-60Bと同様、狭い護衛艦の格納庫に収容するため、自動のメインローター展張・格納機能ならびにテールブーム部分の折りたたみ機構が付与されています。
一方、UH-60JおよびUH-60JAは、アメリカ軍と異なり世界中に迅速展開する必要がないため、たためる構造になっていることがあまり知られていません。しかし、2005(平成17)年1月から3月にかけて行われた「スマトラ沖大規模地震及びインド洋津波における国際緊急援助活動」にて、陸上自衛隊のUH-60JAは海上自衛隊の輸送艦「くにさき」に積載されて現地へ派遣され、救援物資などの輸送に従事しています。
このとき、輸送艦「くにさき」ではヘリコプターの整備ができなかったため、ともに派遣された護衛艦「くらま」のヘリ格納庫で整備などが行われたといいます。
また現在も、おおすみ型輸送艦やひゅうが型護衛艦、いずも型護衛艦などへのUH-60JならびにUH-60JAの搭載訓練で、メインローターの折りたたみが実施されているほか、一説には在日米軍との共同演習の際などでUH-60JAのアメリカ軍輸送機への積載訓練が行われているそう。自衛隊のUH-60JおよびUH-60JAも、標準でメインローターの折りたたみ機能を有しているようです。
日本国内ではUH-60JやUH-60JAは陸上基地での運用がメインのため、艦載ヘリのSH-60Jなどと異なりメインローターが畳まれた状態を目にすることはほぼありませんが、見かけないだけで自衛隊のUH-60シリーズも着実に進歩しているといえるようです。
【了】
Writer: 斎藤大乗(元自衛官ライター/僧侶)
木更津駐屯地で5年間ヘリコプターと共に暮らした元自衛官。自衛官時代の経験を生かして雑誌やアニメに登場するヘリコプターの監修を行う。現在は実家のある日本最北の礼文島で僧侶をしながら記事を書いている。
空自基地の自衛官に聞いた時折り畳み機能がないと聞いた事があるがそれも違ったようだ、デアゴの『いずも』の各種付属品に折り畳まれたフィギュアが写真に載っていたがこれでハッキリした。
同じMRB折畳みでも,ブラックホーク系とシーホーク系では手間が段違いとか,それに応じてMRBルート部の形が異なるといった特徴があります.
同様にTRPの折畳についても,ブラックホーク系とシーホーク系では折り畳む方向や手間が違います.
何かの機会に,この辺もご紹介頂けると宜しいのではと存じます.