エアバスA320と瓜二つの少し残念な兄? 12機のみ製造の「メルキュール」 打倒737のはずが

1970年代、米国産のモデルが短距離ジェット旅客機市場を席巻していたころ、フランスからそれを打破すべく「メルキュール」という旅客機がデビューしました。この見た目、エアバスの名機A320と瓜二つ。なぜそのようになったのでしょうか。

「A320そっくり」になったのは「737」にはない工夫から?

 ダッソー社のメルキュールは、先述のとおり「フランス版ボーイング737」といったコンセプトの旅客機ではあるものの、737にはない様々な工夫が施されています。とくにその見た目を「エアバスA320らしく」しているのは、脚回りとエンジンの配置でしょう。一説によると、「メルキュールがA320」へ発展した、というハナシもあるのだとか。

 メルキュールは、現代の旅客機の多くのモデルと同じように、将来的にはよりキャパシティの大きい、胴体延長型の派生タイプを開発することも視野に入れて作られたと記録されています。

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ルフトハンザ航空のボーイング737(画像:ルフトハンザ航空)。

 ボーイング727や737、ダグラスDC-9など、このクラスの旅客機の多くは、前脚のタイヤが胴体にひっつくのではないかというくらいに近づいています。これは地上設備の整っていない地方空港でも、乗客の乗降を容易にすべく、胴体をできるだけ低くするための工夫です。対し、メルキュールは先述のコンセプトからか、前脚のタイヤ上についた軸が長く、胴体の位置が高いのが特徴です。

 また、737(737-100、-200といったオリジナルタイプ)は、3発リアジェット機(胴体後部にエンジンを集中して設置するスタイル)だった姉妹機727の胴体設計をほとんどそのまま引き継いでおり、727のエンジンのみを主翼下に2基移設したような旅客機であることから、このままでは胴体の高さが足らず、結果、細長いエンジンを主翼に埋め込むように配置しています。

 一方、メルキュールは、エンジンを現代のジェット機と同じように「カットバックパイロン」と呼ばれるパーツを用いて、斜め前方へ吊り下げる方式で、主翼下に2基備えています。また、エンジンと地面の距離(クリアランス)も余裕をもって取られているのも特徴です。これは、胴体延長でパワーのあるデカいエンジンを積んだとしても、ベースデザインをそのまま保持できるように……といった工夫でしょう。

【エアバスA320と見比べ!】「メルキュール」の全容とは

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コメント

2件のコメント

  1. メルキュールが他の機材より勝っているのは、事故喪失率が0%という事だけ。

    この記録は永遠に破られないだろう。

    今後この記録を破る見込みがあるのは、今のところA380、A350とA220、B787だけだね。

    • >事故喪失率0%

      日本のP-2Jという誇らしい記録が!!

      あれは民間機ではありませんが。

      機首のスマートさはさすがのフランス製と感じます。

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