「キング・オブ・ジャンクション」首都高・箱崎 なぜあんなに複雑なのか 背景に成田空港
首都高でもとりわけ複雑な「箱崎JCT」を含む区間が、開通50周年を迎えました。「キング・オブ・ジャンクション」とも呼ばれる箱崎の異様は、なぜ誕生したのでしょうか。実はここ、かつては「ミニ成田空港」とも言うべき場所の一端でした。
「ジャンクション界のキング」首都高・箱崎
首都高のC1都心環状線から常磐道方面へ延びる6号向島線、その途中の両国JCTから分岐して千葉の京葉道路へ向かう7号小松川線が、2021年4月で最初の開通から50年を迎えました。
6号線は江戸橋JCTでC1から入ってすぐ、9号深川線が交わる箱崎JCT、そして両国JCTと、分岐が連続します。首都高のなかでも複雑な区間であるのか、乗りものニュースが2020年4月に実施した「高速道路のJCTで進む方向を間違たことはありますか?」というアンケートでは、回答した451人のうち最多となる14人が、全国の数あるJCTのなかから「箱崎」と答えています。
そのような回答になるのもうなずけるところです。というのも、箱崎JCTは高速道路に関する書籍や写真集で、「キング・オブ・ジャンクション」「ジャンクション界の王様」などと呼ばれるほど、一見して複雑な構造をしているからです。
箱崎JCTは本来的には、6号線に対して9号線がY字型に接続する首都高でよくあるタイプのJCTですが、このY字の根本部分を地上から見上げると、両路線をつなぐ4本のランプのほかに2本、計6本のランプが折り重なるように分岐しています。その下段の2本は、9号線とJCT直下の「箱崎ロータリー」をつないでいます。
箱崎ロータリーとは、周回が可能な一方通行の楕円形ロータリーに浜町・清州橋・箱崎という地上に通じる3つの出入口、6号線および9号線との接続路、そして箱崎PAをひとまとめにした施設です。
さらにその中央部および下層階は東京シティ・エアターミナル、通称「T-CAT」と呼ばれるバスターミナルを主軸とした建物になっています。なお、箱崎ロータリーはT-CATの3階部分にあたります。
ごくかんたんに言ってしまえば、JCTの下に、もうひとつJCTとバスターミナルがあるようなもの、でしょうか。市街地の極めて小さなスペースに、これほどの道路構造物や施設が凝縮しているのは、他に類を見ません。
この「箱崎」の異景、なぜ、どのように誕生したのでしょうか。
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