まるで装甲車 空港の消防車はなぜデカいのか 「赤」じゃないものも 街中の消防車との違い

運用ルールは「国際基準」

 空港消防については、国際基準が「ICAO」という国際民間航空機関によって定められています。もちろん日本もこれに調印しており、基準もそれにのっとったものといえます。ICAOの空港消防に関する項目では、空港の規模に対応して必要な空港消防車の性能と台数が設けられています。

 ICAOでは、空港を11の等級に分け、等級それぞれに水、化学消火剤の確保量、1分間あたりの最大放射量を定めています。この等級は、通常就航しているシップ(航空機)の規模によって割り振られています。日本では、航空局の定める第1種、第2種、第3種空港という分類が馴染み深いですが、このICAO基準に照らすと、羽田空港は最大の空港規模分類「ACD10」に当てはまり、3台の消防車を設置するように勧告されています。

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成田市三里塚消防署の消防車(種山雅夫撮影)。

 なお、我が国には100近くの空港がありますが、実は空港消防署を設置しているのはその半数以下です。地方自治体が管理する空港では、近隣の消防署が空港消防署の役割を果たすことも想定されているのかもしれません。

 成田空港の場合、空港西側への航空災害を想定しているためか、成田市三里塚消防署にはモリタ社の航空機災害用大型化学車が配置されています。空港災害に対応できる空港用大型化学消防車として、前述のダッシュ力、化学消防機能、高度な耐火、対物性などが要求されることから、日本の消防車を開発してきたモリタ社が、空港用の化学消防車を開発してきました。しかし最近は、アメリカやヨーロッパで開発され、世界中の空港で使用された実績のある車両が国内でも採用されるようになっています。

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