零戦の放った弾丸は目の前のプロペラをどう避ける? 往年のプロペラ戦闘機に納得の仕組み

零戦など先の大戦で活躍した戦闘機は、プロペラの後ろに機銃を持つレイアウトが見られます。なぜ、放った弾丸がプロペラにぶつからないのでしょうか。それを可能にする装置の歴史やメカニズムを見ていきます。

「プロぺラ同調装置」が世界に広まるまで

 ライト兄弟時代の飛行機のカタチは、翼を上下に2枚備え、エンジンをパイロットの後方に配置していたため、前方は開けており、拳銃を付けやすくなっていました。

 ただその後、飛行速度の上昇や運動性の向上など、性能が上がるにつれエンジンを機首に配置することが主流となったことで、銃を前に置くことが難しくなっていきます。

 そのため、拳銃を後ろの席の人が撃つ、拳銃を2枚ある主翼のうちプロペラの回転面より高い上の翼に取り付ける、エンジンの上に拳銃を取り付けプロペラが壊れないよう防弾鋼板をプロペラに取り付ける、といった工夫がされました。しかし、いずれの方法にしても、目の前の敵機を撃つためには充分ではありませんでした。

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撃墜されたフォッカーEIII(画像:米国議会図書館)。

 そこでイギリス、フランス、ドイツなどの各国では、プロペラのブレードの合間を機銃の弾丸がうまく通過するようなメカニカルな機構の開発に取り組んでいましたが、どれも十分な効果を発揮できませんでした。そのようななか、これをいち早く実現したのは、ドイツ空軍の「フォッカーEIII」に取り付けられた機銃同調装置(Stangensteuerung)でした。

 フォッカーEIIIは、1915(大正4)年の実践配備から翌年にかけ、固定銃を備えた当時としては異例のコンセプトをもつ戦闘機としてデビュー。相手機を自機の正面に来るように操縦さえできれれば、これまでより格段に、弾丸を命中させることができました。同機は大きな戦果をあげ、敵である連合国軍側も、その圧倒ぶりから「フォッカーの懲罰」と恐れました。

 その後連合国空軍側も、墜落したフォッカーEIIIを参考に、同様の装置を機体に取り付けたことで、機銃同調装置が広まります。その後第2次世界大戦後まで、プロペラ形式の戦闘機においては、機銃同調装置の有効性は証明されており、先述のとおり、日本では零戦などでこの装置が採用されました。

 航空機、そしてメカにおいて、ドイツの執着心は底知れないと感心する一例といえるでしょう。

 ちなみに、機首にプロペラが無い現代のジェット戦闘機では、命中率を上げる工夫として機銃を機首下面に配置することが多いです。ただ、F-16などは機体が小型のため、機銃はパイロットの横に設置しています。

【了】

※誤字を修正しました(5月26日9時11分)。

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コメント

5件のコメント

  1. プロペラに当たらないような装置のことは聞いてましたが、初期のことと思いますが、

     プロペラに当たっても大丈夫な工夫

    と言うのも聞いたことあります。

    工夫と言っても、強化しただけですね。

    • この装置ができるまではパイロットが引き金を目押しして当たらないようにしてました。

  2. 何度も言うが記事を書いて、誤字等無いか確認してから投稿していないのか?

  3. WW1ごく初期は確かに拳銃(ハンドガン)を撃ったケースもあったかもしれませんが、航空用機銃の記事で拳銃と表現するのは不適切に思います。

  4. 第2次世界大戦の終戦まで、私の祖父が神戸でこの記事の事に従事していた。

    知ったのは、当時の彼女(現妻)を正月に祖父母の家に連れて行ったときに、ボケた祖父が鹿児島弁で彼女を口説いている際の言葉が、今自分がどんな事をしている~とか悩んでいるとかの時の話で出ていた。

    祖父もぼけていたから詳しい話を聞くことができなかった。

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