なぜ3分停車のホームでコンサート?ホームグラウンド以外に列車を走らせた東急の工夫

2020年夏、伊豆をホームグラウンドにする東急の観光列車「THE ROYAL EXPRESS」が北海道で運行されました。その実現に向け、「ホームで3分コンサート」など、鉄道システム的な面以外にも様々な工夫がされています。

「野球の試合でミスしちゃった。けど…!」

「特にお子さんが多くいらっしゃいました。保育園や幼稚園のお子さんたち、畑で抱っこされながら手を振ってくれるお子さん……。少しでも『THE ROYAL EXPRESS』がお子さんたちの夢になったらいいなと思いました」(東急 松田高広さん)

 運行の前年から始められていた“種まき”が実り、目測とはいえ、実際の北海道運行では1回あたり1000人ほどの人々が列車を歓迎してくれたそうです。

 また北海道での試運転のとき、2人の男の子がホームへ来ていて、「試運転なのになんで知ってるの?」と聞くと、「いつもと違う列車の音がしたから慌てて来た!」と男の子。そして「野球の試合でミスしちゃって落ち込んでたけど、元気が出た!」と言ってくれたとのこと。

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「THE ROYAL EXPRESS」に携わる東急の松田高広さん(恵 知仁撮影)。

 2021年夏も「THE ROYAL EXPRESS」は北海道で運行の予定。「コロナ禍ですが、少しでも明るい気持ちになってもらえたら嬉しいです」と、東急の松田さんは話します。

 なお北海道で走らせるにあたり、運行などをJR北海道が、企画や販売、車内外のサービス調整・実施などを東急が担当するという役割になっています。

 東急の松田さんによると、JR北海道からも運行で現場のモチベーションが上がったと言われ、同じ“鉄道員”としてとても嬉しかったそうです。

【写真】静岡県伊東から北海道札幌へ向かった瞬間の「THE ROYAL EXPRESS」【遠路】

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