なぜ3分停車のホームでコンサート?ホームグラウンド以外に列車を走らせた東急の工夫

「日本の旅の文化」になれるか?

 東急「THE ROYAL EXPRESS」の北海道運行は、北海道とJR北海道が鉄道の活性化施策を行いたいと思いつつも、JR北海道の経営状況などから難しいなか、2018年に発生した北海道胆振東部地震からの復興を応援し、観光振興を図るため、東急のほかJR東日本、JR貨物が協力して実現しました。

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北海道を走る「THE ROYAL EXPRESS」と、それに手を振る人々(画像:東急)。

 またこの北海道運行は、事業的な意味では単体で考えるのではなく、それに関わる様々な人や物、地域を含めて、相乗効果などを総合的に長い目で見ていくタイプのものです。

「東急、『THE ROYAL EXPRESS』だけではなく、「日本の旅の文化」になるよう、各社が地域と一緒に頑張っていくのが大事ではないでしょうか」と、「観光列車」について話す東急の松田さん。

 地方の活性化、地方鉄道の厳しさが言われて久しいなか、「観光列車が持つ力」と、その活用方法を実際に見せたのが、今回の東急「THE ROYAL EXPRESS」北海道運行と言えるでしょう。

 コロナ禍後、日本の各地へ笑顔をもたらすツールとしての「観光列車」に、期待したいところです。

【了】

【写真】静岡県伊東から北海道札幌へ向かった瞬間の「THE ROYAL EXPRESS」【遠路】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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