高輪の「首曲がりトンネル」一部地上化 現地には「高輪築堤」観賞スポットがあった

港区高輪にある高さわずか1.5mの「高輪橋架道橋下区道」が、再開発工事に伴い一部地上路に切り替わっています。この地上路からは、日本最古の鉄道遺構と言われる高輪築堤も見ることができました。

目隠しを無くす「粋な計らい」も

 タクシーの屋根の表示灯が天井にぶつかって壊れる「提灯殺しのガード」、あるいは立ったまま歩くと頭が天井に当たるため「首曲がりトンネル」……そんな異名を持つ東京都港区高輪の「高輪橋架道橋下区道」が、周辺の再開発工事に伴い、5月上旬から一部が閉鎖され、地上の暫定通路に切り替わっています。

 高輪橋架道橋下区道は、JR山手線や京浜東北線、東海道本線、東海道新幹線などの線路を東西方向にくぐる、高さ制限わずか1.5mのガード下道路です。上述のように天井の低さで有名でしたが、再開発事業ですでに自動車は通行止めになっていました。

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工事前、かつての高輪橋架道橋の姿。西側入口のギリギリを山手線が走行していた(乗りものニュース編集部撮影)。

 泉岳寺駅の脇からJRの線路に向かって歩くと、ガード入口へ降りる道路は工事用フェンスで封鎖されていました。フェンスの先を覗くと、かつて山手線や京浜東北線が走行していた架道橋は撤去され、首曲がりトンネルはもはや「トンネル」ですらなくなっていました。

 地上の暫定通路は両側を工事用フェンスに挟まれながら、トンネルの北側を抜けていきます。もちろんトンネル時代と違い、薄暗さや圧迫感は全くありません。

 さて、暫定通路の中ほどで、北側の一部のフェンスで、目隠し用の幕が取り払われていました。そこから見えたのは、日本初の鉄道「新橋~横浜間」の遺構、「高輪築堤」です。約150年前の当時は海だったこの地に石積みの築堤や橋台が築造されましたが、その実物が2019年に出土し話題になりました。

 2021年4月にJRは、この高輪築堤の一部を保存し、一般に公開する方針を示しています。また5月29日(土)には菅総理が視察、その後の 6月2日(水)には文部科学大臣が、この高輪築堤を国の史跡に指定する考えを示しました。

 鉄道黎明期の面影を残すこの遺構が間近に見られるため、この「観賞スポット」では足を止めて見物し、カメラを構える人の姿が絶えませんでした。

 ところで、高輪橋架道橋下区道は、現在JRの線路が集中する東側はまだ健在です。地上の暫定通路は、100mほどで階段を下り、旧来のトンネルに合流します。かつての西側入口と同じように、トンネルの新たな入口でも、すぐ頭上を山手線が駆け抜けていきます。

 工事計画では新たな歩行者用通路の完成予定は2026(令和8)年度とのこと。それまでのあいだは、トンネル内を「身をかがめて通行する」体験はできそうです。

【了】

【すっかり様変わりした高輪橋架道橋の現在】

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