「ランドクルーザー」進化の裏に自衛隊 三菱に2度敗けたトヨタ 知られざる「戦い」の歴史

4輪駆動車の代表的存在となっているトヨタのランドクルーザー。このクルマの誕生には、自衛隊の前身である警察予備隊が大きく関わっています。自衛隊をめぐる三菱とのバトルが進化させたといっても過言ではない、ランクルの歴史を探ります。

ランクル誕生に警察予備隊が大きく影響

 トヨタの新型「ランドクルーザー」が2021年6月10日(木)、発表されました。ランドクルーザーは1951(昭和26)年に初代「BJ系」が登場して以来、今日まで連綿と改良されつつ生産・販売されているトヨタの代表的車種です。

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トヨタのランドクルーザー70系(画像:トヨタ)。

 初代「BJ系」の誕生には、当時の日本政府が、警察予備隊(現在の自衛隊)の発足によって、各種装備を大量調達する必要に迫られたことが大きく関係しています。隊員の足となる汎用性の高い小型4WD車両をそろえるにあたり、アメリカ軍供与の「ジープ」では数が足りないことから、当時の国内自動車メーカー3社、すなわちトヨタ、日産、三菱に対して国産の4輪駆動車を開発するよう打診したのがきっかけでした。

 これに対して、トヨタは「トヨタジープ」を、日産は「パトロール」を、それぞれ独自開発した一方、三菱は「ジープ」の開発元であるアメリカのウィリス社とノックダウン生産の契約を結び(のちにライセンス生産へ移行)、「三菱ジープ」を製作。各種トライアルの結果、アメリカ軍との互換性などを鑑みて、三菱ジープが維持運用に優れていると判断され、採用されました。

 なお、名称が「トヨタジープ」から「ランドクルーザー」に変わった理由、それは「ジープ」というのがアメリカ・ウィリス社の登録商標だったからです。そのためトヨタジープは、誕生から3年後の1954(昭和29)年6月にランドクルーザーに改名しています。

【その名も「トヨタジープ」】ランクル原初の姿

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1件のコメント

  1. トヨタのジープの起源がバンタム製ジープをトヨタ自動車にリバースエンジニアリングさせて製作した四式小型貨物車だろ?
    それを旧軍に納入したら、”ジープみたいな車両が欲しいとは言ったが、ジープをそのままパクって納入しろとは言ってない。”と言われたとも、言われなかったともという伝説がある車だもんな。
    もっとも現代でも”ハムビーみたいな車が欲しい”と言われて作ったのが”高機動車”だったりするけどな。