ジェット機版「オスプレイ」実在!? 2機だけ造られた「音速超え転換航空機」VJ-101の顛末

V-22「オスプレイ」は、飛行中にエンジンそれ自体の向きを物理的に変えることができる機体です。「オスプレイ」はティルト・ローターですが、このジェット機版ともいえる機体が実はありました。

ドイツの「VJ-101」どんな機体だったの?

「ジェット機版オスプレイ」ともいえるドイツの「VJ-101」は、どういった経緯を経て、開発されたのでしょうか。

 VJ-101は、ドイツのEWR社という、多くの人にとってはまったく聞きなれない航空機メーカーにより開発されました。それもそのはずで、この会社は、第2次世界大戦中に軍用機などを製造していたハインケル社とメッサーシュミット社などが中心となって1959(昭和34)年に設立され、北大西洋条約機構(NATO)の近距離支援戦闘機プロジェクトに基づいた、超音速を出せるVTOL機を開発することを目的としていました。逆に言えば、まったく実現するかどうか未知数のVTOL機の開発は、一社だけでは費用を捻出できなかった、ということなのかもしれません。

 VJ-101の試作機は、1963(昭和38)年に初号機が初のホバリング飛行を実施し、その数か月後には、上空でエンジンの方向を変える水平飛行モードへの転換飛行に成功します。翌年には、VTOL機としては初めて、音速を超えるという快挙を成し遂げましたが、その直後に事故を起こしてしまいました。テストはアフターバーナー(エンジンの排気に燃料を噴射することでより高推力を獲得し、飛行速度の大幅な向上を図る機構)を搭載した2号機に引き継がれ、試験が行われていたものの、最終的には1968(昭和43)年に開発中止となりました。

 最終的にVJ-101は、エンジンの角度を変える「ティルト」のところが、実用化への最も大きなハードルだったとも考えられます。コンバーティ・プレーンのティルトは、大きく重いエンジンと推力発生装置を回転させる必要があるため、大きなトルクが付け根にかかりそうです。その後開発された「オスプレイ」でさえ、開発から配備まで20年程度の時間がかかっています。

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千葉県の木更津駐屯地に暫定配備されている陸上自衛隊のV-22「オスプレイ」(画像:陸上自衛隊)。

 ちなみに、VJ-101の実機はドイツ博物館で実物を保存、展示してあります。とてもスタイリッシュでロマンのある機体ですので、コロナが収まったらドイツ旅行を……と考えている方は、ぜひ見学することをおすすめしたいです。

【了】

※一部修正しました(7月13日10時26分)。

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1件のコメント

  1. そう言えばエヴァにこんなんあったな?

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